ブランパン彗星

289P/Blanpain

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Updated on July 8, 2020

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・ プロフィール

1819年に発見されてから、2003年に再発見されるまで、約200年間、行方不明になっていた。

1819年には、絶対光度は8.5等。5〜8等の明るさで見えたと思われる。だが、この明るさは、例外的な大バーストであった。通常は、ほとんど彗星活動をしておらず、絶対光度20.5等の小惑星状。

村岡健治氏の計算では、1819年から2109年までの約300年間に、彗星の軌道は、近日点距離0.88AU〜1.04AU、周期5.1〜5.5年の間で揺れ動いている。

たいていは22等以下と極めて暗い。だが、11月下旬から12月下旬の間に近日点を通過すると、地球に接近して明るくなる。但し、近日点距離のわずかな違いによって、明るさは大きく違ってくる。

近日点距離が1.0AUより小さいと、最接近の時に彗星が地球の内側に入って見えなくなる。そのため、せいぜい18等にしかならない。

近日点距離が1.0AUより大きい時は、12月上旬のある特定の日に近日点を通過すると、極めて明るくなる。だが、近日点通過がわずか数日ずれただけで、最大光度は数等級も暗くなってしまう。

1819年から2109年までの約300年間に、18等より明るくなるのは、4回しかない。

近日点通過最大光度最接近距離
2003年12月11日14.4等0.025AU
2035年11月20日17.4等0.088AU
2019年12月20日17.6等0.089AU
2067年11月26日17.7等0.102AU

2003年に再発見されたのは、すべての条件が揃い、ここ300年のうちでも並外れて好条件になったためである。しかし、今後、2109年までの約100間には、17等より明るくなることは二度と無い。

発見以来の約200年間は、ずっと条件が悪く、一度も18等より明るくならなかった。そのため、2003年まで見逃されていたものと思われる。

1819年のような大バーストが再び起これば、条件が良ければ肉眼彗星に、悪くても10等の明るさに達する。

・ 回帰記録

!発見 *出現 -観測されなかった回帰 #発見前の出現 +発見前の観測されなかった回帰 .将来の回帰
.
2025/04/14
* 289P
2019/12/20
* 289P
2014/08/28
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2009/04/30
* 289P/2003 WY25
2003/12/11
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1998/07/18
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1993/01/21
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1987/11/23
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1982/09/29
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1977/08/09
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1972/06/19
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1967/04/27
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1962/02/27
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1956/10/25
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1951/06/11
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1946/02/08
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1940/11/12
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1935/08/20
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1930/05/29
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1925/03/05
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1919/12/09
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1914/09/06
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1909/03/26
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1903/09/30
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1898/04/22
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1893/01/22
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1887/10/31
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1882/08/10
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1877/05/19
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1872/02/25
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1866/11/26
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1861/07/21
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1856/03/04
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1850/11/02
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1845/09/02
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1840/07/09
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1835/05/17
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1830/03/24
-
1825/01/24
! 289P/1819 W1
1819/11/20

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D/1819 W1と2003 WY25の同定はIAUC 8485およびNK 1168に掲載されたもの。
1819年から1998年までの近日点通過日はM.P.E.C. 2013-N21に掲載されたもの。
発見事情と歴史はGeneral Comet Info (Gary W. Kronk)にある。

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