1819年に発見されてから、2003年に再発見されるまで、約200年間、行方不明になっていた。
1819年には、絶対光度は8.5等。5〜8等の明るさで見えたと思われる。だが、この明るさは、例外的な大バーストであった。通常は、ほとんど彗星活動をしておらず、絶対光度20.5等の小惑星状。
村岡健治氏の計算では、1819年から2109年までの約300年間に、彗星の軌道は、近日点距離0.88AU〜1.04AU、周期5.1〜5.5年の間で揺れ動いている。
たいていは22等以下と極めて暗い。だが、11月下旬から12月下旬の間に近日点を通過すると、地球に接近して明るくなる。但し、近日点距離のわずかな違いによって、明るさは大きく違ってくる。
近日点距離が1.0AUより小さいと、最接近の時に彗星が地球の内側に入って見えなくなる。そのため、せいぜい18等にしかならない。
近日点距離が1.0AUより大きい時は、12月上旬のある特定の日に近日点を通過すると、極めて明るくなる。だが、近日点通過がわずか数日ずれただけで、最大光度は数等級も暗くなってしまう。
1819年から2109年までの約300年間に、18等より明るくなるのは、4回しかない。
近日点通過 | 最大光度 | 最接近距離 |
2003年 | 12月11日 | 14.4等 | 0.025AU |
2035年 | 11月20日 | 17.4等 | 0.088AU |
2019年 | 12月20日 | 17.6等 | 0.089AU |
2067年 | 11月26日 | 17.7等 | 0.102AU |
2003年に再発見されたのは、すべての条件が揃い、ここ300年のうちでも並外れて好条件になったためである。しかし、今後、2109年までの約100間には、17等より明るくなることは二度と無い。
発見以来の約200年間は、ずっと条件が悪く、一度も18等より明るくならなかった。そのため、2003年まで見逃されていたものと思われる。
1819年のような大バーストが再び起これば、条件が良ければ肉眼彗星に、悪くても10等の明るさに達する。