今週の明るい彗星 (2005年5月7日:南半球版)

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Updated on May 10, 2005
先週 北半球版 来週

最適時刻と方位・高度は、南緯35度の地点での値です。

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* C/2003 T4 ( LINEAR )

発見以来、4月初めに近日点を通過するまで、ずっと、ふつうの彗星より鈍い増光が続いてしまった。北半球から最後に見えた3月は、7.8等、視直径6分角と、急に明るく大きく見えた(3月8日、吉田誠一)が、その後は停滞し、結局、南天に去った後も8等のまま。但し、CCD観測でも8.0等(4月4日、門田健一氏)と、眼視と同じ光度が報告されている点は奇妙だ。今後は減光に転じる。今後、南半球ではしばらく観測できるが、日本からは、9月下旬に明け方の超低空に14等で現れるまで観測できない。軌道計算では、異常に大きな非重力効果が現れているが、その意味はまだ明らかにされていない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   1 54.72  -38 56.1   1.150   1.046    57    8.4   5:14 (301, 25)  
May  14   2 48.61  -40  2.4   1.229   1.122    59    8.8   5:19 (305, 21)  

* C/2004 Q2 ( Machholz )

1月上旬の最盛期には、3.5等、視直径30分角という巨大な姿が、頭上高く、たいへん明るく見えた。その後は次第に暗くなってきており、現在は8.3等(5月3日、Reinder J. Bouma)。肉眼では見えなくなったが、DC=5とほどよく集光しているので、双眼鏡ではまだまだ見やすい。視直径は約7分角と、だいぶ小さくなった。一晩中見えている。日本からは、10月に14等になるまで、眼視で見える時期はずっと好条件で観測できる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7  12 18.07   58  2.8   1.514   1.938    98    8.8  21:17 (180, -3)  
May  14  12 25.58   54 23.9   1.611   2.014    97    9.1  20:57 (180,  1)  

* C/2005 A1 ( LINEAR )

日本から見えていた1月は11等台で小さい姿だったが、南天に去った後の2月14日には9.2等、視直径8分角(David Seargent)という巨大な姿が観測された。その後、視直径は3〜5分角とやや小さくなったが、3月から4月にかけて8.0等と、双眼鏡でも見える明るさを保っている(3月4日及び4月7日、Alexandre Amorim)。しかし、すでに減光を始めている。南半球でもしばらく高度が低かったが、今後は再び高くなり、暗くなっていく様子を観測できるだろう。日本からは、6月に12.5等で明け方の空に現れるまで見えない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   1 53.94  -17 28.6   1.621   1.025    37    9.4   5:14 (282, 14)  
May  14   1 56.17  -13 37.0   1.673   1.087    38    9.8   5:19 (274, 18)  

* 9P/Tempel 1

2月になっても13.9等以下で眼視では見えなかった(2月5日、吉田誠一)が、その後は予報通りに急激に増光し、現在は10.4等と、かなり明るくなっている(5月4日、吉田誠一)。但し、当初の予報よりは0.5等ほど暗い。視直径も約3分角と、だいぶ大きくなっている。集光が強く見やすい。春から夏にかけて10等に達する。7月4日のディープ・インパクト・ミッションによって、肉眼彗星になる可能性がある。実際には、人類史上初めての計画であり、どのような変化をするかまったく不明であるので、ぜひ観測すべき。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7  12 54.23   10 23.3   0.712   1.618   139   10.5  21:52 (180, 45)  
May  14  12 52.15    8 44.7   0.718   1.594   133   10.3  21:22 (180, 46)  

* 21P/Giacobini-Zinner

6月から7月にかけて10等に達するが、それまでずっと明け方の空やや低い位置に見え続ける。3月14日には15.2等と暗かった(大島雄二氏)が、4月中に増光し、5月2日には12.3等で眼視でも見え始めた(Juan Jose Gonzalez)。急激に明るくなっているようで、5月7日には10.6等に達している(村上茂樹氏)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7  23  6.56   19 32.3   1.596   1.299    54   11.4   5:14 (224, 22)  
May  14  23 35.41   21  7.2   1.548   1.246    53   11.0   5:19 (222, 21)  

* 161P/2004 V2 ( Hartley-IRAS )

1月中旬に18.5等と、予報より増光が鈍かった。その後、しばらく観測できなかったが、予報では急激に増光してきているはず。5月中旬に明け方の低空に姿を現す。その明るさが注目されており、観測が強く望まれる。日本では、その後はずっと観測可能で、7月から8月にかけて8等に達すると期待されている。南半球では、6月上旬まで、明け方の超低空に現れるだけで、明るい時期には見えない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   1  4.11   12 31.5   2.235   1.417    27   12.0   5:14 (250,  7)  
May  14   1 10.02   16 57.7   2.131   1.378    31   11.7   5:19 (242,  9)  

* C/2003 K4 ( LINEAR )

観測不可能。1月初めには7.5等と、双眼鏡で楽に見える明るさだったが、その後は夕空で急激に拡散、減光した。眼視では3月15日に10.7等(Alexandre Amorim)、CCDでは4月4日に11.5等(津村光則氏)まで暗くなり、西空に沈んだ。あっという間に暗くなってしまったが、これでも減光のペースは通常より遅かった。8月には明け方の空に再び現れるが、その頃もまだ13等台を保ち、眼視で見える可能性もある。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   3 59.00   -6  6.3   3.982   3.123    27   12.3  18:38 ( 88,  8)  
May  14   4  2.92   -5 30.2   4.080   3.202    25   12.5  18:33 ( 86,  3)  

* 10P/Tempel 2

今回帰は条件が悪く、近日点通過の頃は見えない。7月に14.5等で明け方の空に現れ、その後は暗くなっていく。南半球では、すでに明け方の超低空に現れて来ているが、まだ観測されていない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   1 28.40    1 21.3   2.492   1.651    26   13.1   5:14 (262,  8)  
May  14   1 45.99    2 45.3   2.503   1.687    28   13.3   5:19 (259, 11)  

* 32P/Comas Sola

5月4日にもまだ、12.7等で眼視でも見えている(吉田誠一)。11月からずっと12.5〜13.0等を保っているが、地球から遠ざかってきたため、昨年秋に比べると小さく、やや暗くなってきている。これから高度が下がりつつ暗くなっていくので、まもなく眼視では見えなくなるだろう。6月末には高度が10度以下になる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   6 37.27   32 29.2   2.306   1.864    52   13.2  18:38 (143, 10)  
May  14   6 57.90   32 12.7   2.364   1.878    49   13.3  18:33 (142, 10)  

* 37P/Forbes

1月には19等、2月には17等と、予報通りに急激に増光してきたが、4月末でもまだ15.5等と、最近は予報より暗く報告されている。増光が鈍いのかもしれない。予報では、5月から9月にかけて、長期に渡って12〜13等で見える。南半球では好条件だが、日本からはずっと南に低い。但し、前回の回帰では、眼視ではこの予報より1.5等ほど明るかった。今回も、眼視では11.0等前後に達する可能性もある。もし予報通りであれば、そろそろ眼視でも射程内に入ってくる。但し、4月中旬から6月末までは高度が15度と最も低くなるため、眼視で見るには、7月〜8月の方が見やすいだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7  16  1.92  -40 17.4   0.834   1.791   152   13.7   1:03 (  0, 85)  
May  14  15 59.52  -40 47.9   0.786   1.760   156   13.4   0:34 (  0, 84)  

* C/2004 Q1 ( Tucker )

2月までは大きく、集光も強くて見やすかったが、3月には拡散状になってきた。だが、5月4日でもまだ12.8等と、眼視では明るく見えている(吉田誠一)。近日点通過後の減光は緩やかで、もうしばらく13等で見られそう。日本からは、6月に14.5等になるまで、夕空で高度35度でほぼ同じ高さで見え続ける。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   5 51.00   70 23.3   3.062   2.698    59   13.7  18:38 (162,-23)  
May  14   6 30.65   69 48.9   3.139   2.749    58   13.9  18:33 (163,-21)  

* 29P/Schwassmann-Wachmann 1

観測不可能。6月に明け方の空に再び現れる。2004年は、シーズンを通して常に13等より明るく見えていた。2005年は、夏から冬にかけて、日本では天頂付近と非常に良い条件で見られる。2004年同様の活動を見せれば、長期に渡って良い観測対象となりそう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   1 28.26   17 27.7   6.672   5.741    20   13.8   5:14 (249, -1)  
May  14   1 33.59   18  2.6   6.633   5.742    26   13.8   5:19 (245,  4)  

* 78P/Gehrels 2

1月上旬まではとても集光が強かったが、1月下旬からは拡散状になってきた。1月は11等台、2月は12等台と減光中。3月8日にも、まだ12.6等と明るかった(吉田誠一)。近日点通過前の増光はたいへん急激だったが、予報通り、近日点通過後の減光は緩やかになっている。だが、3月29日には13.3等まで暗くなってきており(A. Baransky)、高度もかなり低くなってきたので、そろそろ眼視では厳しくなってきた。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   6 18.98   18 18.3   3.069   2.512    48   14.1  18:38 (130, 19)  
May  14   6 32.01   18 14.1   3.161   2.543    44   14.3  18:33 (128, 17)  

* C/2004 B1 ( LINEAR )

2006年春に9等に達する。南半球では、それまでずっと観測可能。日本では、8月末から9月上旬にかけて、明け方の超低空で12等で見える以外は、2006年3月までずっと見えない。2006年3月以降は、暗くなっていく様子をずっと観測できるようになる。2005年3月まで、順調に明るくなってきていたが、日本から見えなくなったため、その後の様子は不明。6月までは、南半球でも超低空になってしまう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   4 25.21  -14 28.8   4.471   3.731    38   14.5  18:38 ( 84, 18)  
May  14   4 29.40  -14 32.3   4.422   3.664    36   14.4  18:33 ( 82, 14)  

* C/2005 E2 ( McNaught )

ようやく北上して日本からも見えるようになってきた。2006年の初めに10等に達すると期待されている。南半球では、11月までずっと高い位置で、明るくなっていく様子を観測できるが、日本からは、9月までずっと高度が15度ほどで、高くならないので、眼視ではなかなか観測できないかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7  20 31.81  -36  7.6   3.508   3.887   104   15.0   5:14 (288, 86)  
May  14  20 34.88  -36 21.6   3.347   3.819   110   14.8   5:08 (  0, 89)  

* C/2004 K1 ( Catalina )

2月初めには16.5等だったが、4月末には15.2等(4月27日、門田健一氏)と、順調に明るくなってきた。7月中旬まで、14.5〜15等で条件良く観測できる。高度が高いので、透明度が良ければ、大口径なら眼視でも見えるだろう。5月7日には、眼視で15.0等と観測されている(村上茂樹氏)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7  16 54.80   12 57.8   2.625   3.443   138   15.0   1:57 (180, 42)  
May  14  16 37.09   14 22.0   2.577   3.434   142   14.9   1:12 (180, 41)  

* C/2003 WT42 ( LINEAR )

2003年末から2005年までの1年間に、18等から15等まで増光した。これは、ふつうの彗星と比べて、かなり増光のペースが速い。6月には15等で西空に沈むが、来年の冬には13等に達し、眼視でも見える期待が出てきた。ただ、衝となった12月から1月には15.2等だったが、その後は計算上は明るくなるはずにも関わらず、実際には3月に15.5等と、やや暗く報告されている。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   6  8.30   46 15.2   6.384   5.778    49   15.1  18:38 (147, -4)  
May  14   6 15.84   46  9.3   6.428   5.755    44   15.0  18:33 (145, -6)  

* 117P/Helin-Roman-Alu 1

2004年初めには19等から17等まで一気に増光したが、その後は落ち着いており、緩やかに増光してきている。4月9日には15.7等。2007年初めまで、長期に渡って15〜16等を保つ。眼視でも、14.3等で見えている(5月7日、Juan Jose Gonzalez)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7  15 54.54  -19 42.8   2.245   3.233   165   15.2   0:56 (180, 75)  
May  14  15 49.54  -19 44.7   2.215   3.222   173   15.1   0:24 (180, 75)  

* P/2004 F3 ( NEAT )

2004年春に発見された明るい新周期彗星。昨年は、春から夏にかけて、15.0〜15.5等と明るく観測された。計算上は遠日点でも19等と明るいはずだが、2004年まで発見されなかったことを考えると、一時的に明るくなっていたのかもしれない、とも思われた。だが、3月11日に15.3等と、1年経った今でもまだ明るい状態を保っている。今年も春から秋にかけて、昨年と同じ明るさで観測できると思われる。眼視でも14等で見えるかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7  20 22.03  -27  9.4   2.513   2.940   104   15.2   5:14 (194, 82)  
May  14  20 26.29  -27 41.1   2.434   2.948   110   15.1   4:59 (180, 83)  

* (944) Hidalgo

2004年秋には好条件となり、13等で眼視でも見えた。その後は地球から遠ざかりつつどんどん暗くなっている。8月には16.5等で西空に沈む。2006年も、3月から4月にかけて再び16.5等で観測できるが、その後は去ってしまう。次回帰は2018年で、14.3等止まりである。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   6 52.99   58 16.9   2.537   2.209    59   15.6  18:38 (159, -9)  
May  14   7 20.89   56 49.6   2.608   2.241    57   15.7  18:33 (159, -8)  

* C/2004 L1 ( LINEAR )

3月末に近日点を通過する逆行の彗星が、同じ頃に衝となって地球にも接近して、すれちがいざまに、刹那的に明るくなった。実際には、かなり増光が鈍かったため、思ったほどは明るくならなかったが、それでも、CCDでは4月4日に13.9等(津村光則氏)に達した。眼視でも13等で見えていたはずだが、南に低いため、眼視で見えたという報告はない。今後は急激に減光する。4月27日には、すでに15.6等まで暗くなってきている(中村彰正氏)。5月には16等で夕空に低くなり、あっという間に見えなくなる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   8 41.94   -5 37.1   1.869   2.097    88   15.7  18:38 (152, 58)  
May  14   8 34.96   -3 16.1   2.051   2.117    79   15.9  18:33 (143, 52)  

* C/2002 T7 ( LINEAR )

予報通りに、ゆっくりと減光している。1月までは14等で眼視でも見えていたが、2月からは見えなくなった。6月には17等になる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   9 23.03   -3 34.0   4.991   5.220    97   16.2  18:38 (172, 58)  
May  14   9 22.72   -3  2.3   5.178   5.289    90   16.3  18:33 (162, 57)  

* C/2005 B1 ( Christensen )

2004年春に発見された小惑星2004 FS101の再発見。1月中旬には18等だったが、3月中旬には16.7等まで増光した。これは、ふつうの彗星と比べて、やや増光のペースが速い。2006年1月頃には、日本からは低いが、14.5等になりそう。2005年春から2006年暮れにかけて、長い間15〜16等で見える。北天を移動するため、日本からはずっと観測できる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7  13 47.10   47 31.4   3.705   4.216   113   16.3  22:44 (180,  7)  
May  14  13 39.67   48 25.7   3.734   4.175   109   16.2  22:09 (180,  7)  

* 49P/Arend-Rigaux

1月に急増光して13等に達した。3月8日には12.8等で、視直径は0.9分角と小さく、意外と良く集光していた(3月8日、吉田誠一)。2月下旬に近日点を通過した後、3月中は13等の明るさを保ち、3月31日にもまだ13.2等で見えていた(Edwin van Dijk)。しかし、4月には急激に減光し、4月27日には15.1等まで暗くなった(中村彰正氏)。近日点のごく近くでのみ、急激に増光、減光するタイプの彗星と思われる。6月には17.5等で夕空に低くなり、観測できなくなりそう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   7 19.91   27 56.4   1.801   1.587    61   16.4  18:38 (148, 19)  
May  14   7 43.63   28  1.1   1.879   1.626    59   16.6  18:33 (148, 19)  

* 62P/Tsuchinshan 1

1月上旬には11等で視直径も2〜5分角と明るく大きく見えたが、その後は予報通り、急激に減光してきている。眼視では、4月5日にもまだ13.8等で見えたが、5月3日には13.8等以下で見なくなった(吉田誠一)。CCDでも、すでに17.0等まで暗くなってきている(4月29日、中村彰正氏)。6月には18等以下になるだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7  12 17.48   16  5.5   1.333   2.118   128   16.4  21:16 (180, 39)  
May  14  12 19.23   14 49.1   1.432   2.162   123   16.8  20:50 (180, 40)  

* 121P/Shoemaker-Holt 2

近日点を過ぎて5ヵ月も経ってから最大光度になるという、変わった彗星。予報通り、5ヶ月経った2月に、最大光度に達している。しかし、今回帰は予報より暗く、15.5等止まりのようだ。眼視では、14.0等以下で見えなかった(2月5日、吉田誠一)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7  10 13.82   30 14.1   2.725   3.026    97   16.4  19:12 (180, 25)  
May  14  10 18.65   29 23.0   2.831   3.045    92   16.6  18:50 (180, 26)  

* C/2004 RG113 ( LINEAR )

地球に接近して、1月から3月にかけて、CCDでは15.5〜16等に達した。眼視でも14.3等で見えた(2月6日、Reinder J. Bouma)。しかし、今後は地球から遠ざかり、どんどん暗くなっていく。4月中旬もまだ16.5等と明るいが、6月には18等以下になる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   9 34.20   24 40.6   1.813   2.096    91   17.0  18:38 (179, 30)  
May  14   9 45.92   22  7.8   1.908   2.129    88   17.2  18:33 (176, 33)  

* 91P/Russell 3

現在がピーク。5月4日に16.8等(中村彰正氏)。しかし、集光が弱いためか、18〜19等という暗い報告も多い。なお、1年も前の2004年春には、すでに18等とかなり明るかった、という報告もある(J. Lacruz, A. Sanchez)が、佐藤裕久氏によれば、これらの観測は残差が大きいため、恒星を測定したものだろう。実際には、2004年には20等以下だったと思われる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7  15  6.90  -25 11.2   1.619   2.620   171   17.1   0:09 (180, 80)  
May  14  15  2.35  -24 10.5   1.610   2.616   172   17.1  23:32 (180, 79)  

* C/2003 T3 ( Tabur )

2004年春に近日点を通過して以来、ずっとやや速いペースで減光してきていたが、2004年の暮れからは、一転して減光が緩やかになったようだ。12月16日にはすでに15.4等だったが、3月6日でもまだ15.8等と、ずっとほぼ同じ明るさを保っている(中村彰正氏)。これからしばらく、16等で見え続けるかもしれない。3月26日現在、16.7等と明るい状態を保っている(門田健一氏)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7   9 47.55   33 59.1   4.539   4.665    90   17.2  18:46 (180, 21)  
May  14   9 48.77   32 58.5   4.708   4.730    85   17.3  18:33 (177, 22)  

* C/2003 O1 ( LINEAR )

遠方のため、2003年夏から1年半も、17.5等で見え続けている。すでに近日点は通過しており、今年はやや暗くなる。それでも、夏まで18等を保つ。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May   7  15 43.23   44 36.2   6.843   7.367   117   17.8   0:45 (180, 10)  
May  14  15 35.04   44 42.8   6.875   7.384   116   17.9   0:09 (180, 10)  

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