今週の明るい彗星 (2005年5月14日:南半球版)

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Updated on May 20, 2005
先週 北半球版 来週

最適時刻と方位・高度は、南緯35度の地点での値です。

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* C/2003 T4 ( LINEAR )

発見以来、4月初めに近日点を通過するまで、ずっと、ふつうの彗星より鈍い増光が続いてしまった。3月中旬から5月初めまで8等を保ったが、5月中旬には8.4等と、予報通り、少し暗くなり始めたようだ(5月12日、Michael Mattiazzo)。今後、日本からは、9月下旬に明け方の超低空に14等で現れるまで観測できない。南半球でも、7月上旬まではずっと高度が20度以下と低くなってしまう。その間に、彗星は12等まで、急激に暗くなってしまうだろう。軌道計算では、異常に大きな非重力効果が現れているが、その意味はまだ明らかにされていない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   2 48.61  -40  2.4   1.229   1.122    59    8.8   5:19 (305, 21)  
May  21   3 35.67  -39 51.5   1.328   1.204    60    9.2   5:23 (306, 19)  

* C/2004 Q2 ( Machholz )

1月上旬の最盛期には、3.5等、視直径30分角という巨大な姿が、頭上高く、たいへん明るく見えた。その後は次第に暗くなってきており、現在は8.3等(5月3日、Reinder J. Bouma)。肉眼では見えなくなったが、DC=5とほどよく集光しているので、双眼鏡ではまだまだ見やすい。視直径は約7分角と、だいぶ小さくなった。一晩中見えている。日本からは、10月に14等になるまで、眼視で見える時期はずっと好条件で観測できる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  12 25.58   54 23.9   1.611   2.014    97    9.1  20:57 (180,  1)  
May  21  12 32.88   50 50.7   1.714   2.090    96    9.4  20:36 (180,  4)  

* C/2005 A1 ( LINEAR )

日本から見えていた1月は11等台で小さい姿だったが、南天に去った後の3月から4月にかけて、8.0等と双眼鏡でも見える明るさになった(3月4日及び4月7日、Alexandre Amorim)。予報では、4月中旬から減光していくはずだったが、5月12日にもまだ8.9等(Michael Mattiazzo)と、この予報よりも1等ほど明るい状態を保っている。南半球でもしばらく高度が低かったが、今後は再び高くなり、暗くなっていく様子を観測できるだろう。日本からは、6月に明け方の空に現れるまで見えない。その頃、予報では12.5等でになっているはずだが、実際にはもっと明るいかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   1 56.17  -13 37.0   1.673   1.087    38    9.8   5:19 (274, 18)  
May  21   1 58.07  -10  0.5   1.711   1.158    41   10.2   5:23 (267, 22)  

* 9P/Tempel 1

2月になっても13.9等以下で眼視では見えなかった(2月5日、吉田誠一)が、その後は予報通りに急激に増光し、現在は10.4等と、かなり明るくなっている(5月4日、吉田誠一)。但し、当初の予報よりは0.5等ほど暗い。視直径も約3分角と、だいぶ大きくなっている。集光が強く見やすい。春から夏にかけて10等に達する。7月4日のディープ・インパクト・ミッションによって、肉眼彗星になる可能性がある。実際には、人類史上初めての計画であり、どのような変化をするかまったく不明であるので、ぜひ観測すべき。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  12 52.15    8 44.7   0.718   1.594   133   10.3  21:22 (180, 46)  
May  21  12 52.10    6 46.9   0.730   1.573   128   10.2  20:55 (180, 48)  

* 21P/Giacobini-Zinner

6月から7月にかけて10等に達するが、それまでずっと明け方の空やや低い位置に見え続ける。3月14日には15.2等と暗かった(大島雄二氏)が、4月中に増光し、5月2日には12.3等で眼視でも見え始めた(Juan Jose Gonzalez)。予報より少し暗いようだったが、その後は急激に明るくなり、5月7日には10.6等と報告されている(村上茂樹氏)。その後は、5月中旬まで11等前後と、ほぼ予報通りの明るさで観測されている。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  23 35.41   21  7.2   1.548   1.246    53   11.0   5:19 (222, 21)  
May  21   0  5.65   22 26.2   1.509   1.197    52   10.7   5:23 (221, 20)  

* 161P/2004 V2 ( Hartley-IRAS )

1月中旬に18.5等と、予報より増光が鈍かった。その後、しばらく観測できなかったが、明け方の低空に姿を現してきた。5月12日には14等(Michael Mattiazzo)、15日には13.5等(門田健一氏)と観測されている。予報通り、急激に増光してきている。日本では、今後はずっと観測可能で、7月から8月にかけて8等に達すると期待されている。但し、発見時は近日点を過ぎてから予想外の増光をし、近日点通過の45日後に最大光度となっている。それがバーストによるものであれば、今回は11等止まりの可能性もある。南半球では、6月上旬まで、明け方の超低空に現れるだけで、明るい時期には見えない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   1 10.02   16 57.7   2.131   1.378    31   11.7   5:19 (242,  9)  
May  21   1 16.35   21 49.9   2.023   1.345    36   11.4   5:23 (234, 10)  

* C/2003 K4 ( LINEAR )

観測不可能。1月初めには7.5等と、双眼鏡で楽に見える明るさだったが、その後は夕空で急激に拡散、減光した。眼視では3月15日に10.7等(Alexandre Amorim)、CCDでは4月4日に11.5等(津村光則氏)まで暗くなり、西空に沈んだ。あっという間に暗くなってしまったが、これでも減光のペースは通常より遅かった。8月には明け方の空に再び現れるが、その頃もまだ13等台を保ち、眼視で見える可能性もある。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   4  2.92   -5 30.2   4.080   3.202    25   12.5  18:33 ( 86,  3)  
May  21   4  6.78   -5  0.2   4.165   3.280    25   12.7  18:29 ( 83, -1)  

* 37P/Forbes

1月には19等、2月には17等と、予報通りに急激に増光してきたが、4月末でもまだ15.5等と、最近は予報より暗く報告されている。増光が鈍いのかもしれない。予報では、5月から9月にかけて、長期に渡って12〜13等で見える。南半球では好条件だが、日本からはずっと南に低い。但し、前回の回帰では、眼視ではこの予報より1.5等ほど明るかった。今回も、眼視では11.0等前後に達する可能性もある。もし予報通りであれば、そろそろ眼視でも射程内に入ってくる。但し、4月中旬から6月末までは高度が15度と最も低くなるため、眼視で見るには、7月〜8月の方が見やすいだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  15 59.52  -40 47.9   0.786   1.760   156   13.4   0:34 (  0, 84)  
May  21  15 56.13  -41  2.0   0.747   1.731   159   13.1   0:03 (  0, 84)  

* 10P/Tempel 2

今回帰は条件が悪く、近日点通過の頃は見えない。7月に14.5等で明け方の空に現れ、その後は暗くなっていく。南半球では、すでに明け方の超低空に現れて来ているが、まだ観測されていない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   1 45.99    2 45.3   2.503   1.687    28   13.3   5:19 (259, 11)  
May  21   2  3.07    4  3.4   2.513   1.724    30   13.5   5:23 (256, 13)  

* 32P/Comas Sola

5月4日にもまだ、12.7等で眼視でも見えている(吉田誠一)。11月からずっと12.5〜13.0等を保っているが、地球から遠ざかってきたため、昨年秋に比べると小さく、やや暗くなってきている。これから高度が下がりつつ暗くなっていくので、まもなく眼視では見えなくなるだろう。6月末には高度が10度以下になる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   6 57.90   32 12.7   2.364   1.878    49   13.3  18:33 (142, 10)  
May  21   7 18.41   31 45.4   2.423   1.893    47   13.5  18:29 (141, 10)  

* 29P/Schwassmann-Wachmann 1

観測不可能。6月に明け方の空に再び現れる。2004年は、シーズンを通して常に13等より明るく見えていた。2005年は、夏から冬にかけて、日本では天頂付近と非常に良い条件で見られる。2004年同様の活動を見せれば、長期に渡って良い観測対象となりそう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   1 33.59   18  2.6   6.633   5.742    26   13.8   5:19 (245,  4)  
May  21   1 38.81   18 37.0   6.585   5.743    31   13.8   5:23 (240,  8)  

* C/2004 Q1 ( Tucker )

2月までは大きく、集光も強くて見やすかったが、3月には拡散状になってきた。だが、5月4日でもまだ12.8等と、眼視では明るく見えている(吉田誠一)。近日点通過後の減光は緩やかで、もうしばらく13等で見られそう。日本からは、6月に14.5等になるまで、夕空で高度35度でほぼ同じ高さで見え続ける。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   6 30.65   69 48.9   3.139   2.749    58   13.9  18:33 (163,-21)  
May  21   7  7.62   68 52.9   3.219   2.801    57   14.0  18:29 (163,-20)  

* C/2004 B1 ( LINEAR )

2006年春に9等に達する。南半球では、それまでずっと観測可能。日本では、8月末から9月上旬にかけて、明け方の超低空で12等で見える以外は、2006年3月までずっと見えない。2006年3月以降は、暗くなっていく様子をずっと観測できるようになる。2005年3月まで、順調に明るくなってきていたが、日本から見えなくなったため、その後の様子は不明。6月までは、南半球でも超低空になってしまう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   4 29.40  -14 32.3   4.422   3.664    36   14.4  18:33 ( 82, 14)  
May  21   4 33.90  -14 41.5   4.362   3.597    36   14.3  18:29 ( 79, 10)  

* 78P/Gehrels 2

1月上旬まではとても集光が強かったが、1月下旬からは拡散状になってきた。1月は11等台、2月は12等台と減光中。3月8日にも、まだ12.6等と明るかった(吉田誠一)。近日点通過前の増光はたいへん急激だったが、予報通り、近日点通過後の減光は緩やかになっている。だが、3月29日には13.3等まで暗くなってきており(A. Baransky)、高度もかなり低くなってきたので、そろそろ眼視では厳しくなってきた。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   6 32.01   18 14.1   3.161   2.543    44   14.3  18:33 (128, 17)  
May  21   6 44.99   18  5.5   3.250   2.573    40   14.4  18:29 (126, 16)  

* C/2005 E2 ( McNaught )

3月に発見された頃は16.4等だった(3月12日、R. H. McNaught)が、5月15日には15.1等まで増光してきている(中村彰正氏)。2006年の初めに10等に達すると期待されている。南半球では、11月までずっと高い位置で、明るくなっていく様子を観測できるが、日本からは、9月までずっと高度が15度ほどで、高くならないので、眼視ではなかなか観測できないかもしれない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  20 34.88  -36 21.6   3.347   3.819   110   14.8   5:08 (  0, 89)  
May  21  20 37.13  -36 38.7   3.190   3.751   116   14.7   4:43 (  0, 88)  

* C/2004 K1 ( Catalina )

2月初めには16.5等だったが、4月末には15.2等(4月27日、門田健一氏)と、順調に明るくなってきた。7月中旬まで、14.5〜15等で条件良く観測できる。高度が高いので、透明度が良ければ、大口径なら眼視でも見えるだろう。5月7日には、眼視で15.0等と観測されている(村上茂樹氏)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  16 37.09   14 22.0   2.577   3.434   142   14.9   1:12 (180, 41)  
May  21  16 18.32   15 33.2   2.557   3.425   143   14.9   0:26 (180, 40)  

* C/2003 WT42 ( LINEAR )

2003年末から2005年までの1年間に、18等から15等まで増光した。これは、ふつうの彗星と比べて、かなり増光のペースが速い。6月には15等で西空に沈むが、来年の冬には13等に達し、眼視でも見える期待が出てきた。ただ、衝となった12月から1月には15.2等だったが、その後は計算上は明るくなるはずにも関わらず、実際には3月に15.5等と、やや暗く報告されている。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   6 15.84   46  9.3   6.428   5.755    44   15.0  18:33 (145, -6)  
May  21   6 23.73   46  3.7   6.465   5.733    40   15.0  18:29 (143, -8)  

* P/2004 F3 ( NEAT )

2004年春に発見された明るい新周期彗星。昨年は、春から夏にかけて、15.0〜15.5等と明るく観測された。計算上は遠日点でも19等と明るいはずだが、2004年まで発見されなかったことを考えると、一時的に明るくなっていたのかもしれない、とも思われた。だが、3月11日に15.3等と、1年経った今でもまだ明るい状態を保っている。今年も春から秋にかけて、昨年と同じ明るさで観測できると思われる。但し、日本からの高度はずっと20度前後で、かなり低いため、眼視で見るのは難しいだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  20 26.29  -27 41.1   2.434   2.948   110   15.1   4:59 (180, 83)  
May  21  20 29.51  -28 17.9   2.359   2.957   116   15.1   4:35 (180, 83)  

* 117P/Helin-Roman-Alu 1

2004年初めには19等から17等まで一気に増光したが、その後は落ち着いており、緩やかに増光してきている。4月9日には15.7等。2007年初めまで、長期に渡って15〜16等を保つ。眼視でも、14.3等で見えている(5月7日、Juan Jose Gonzalez)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  15 49.54  -19 44.7   2.215   3.222   173   15.1   0:24 (180, 75)  
May  21  15 44.28  -19 45.7   2.199   3.211   178   15.1  23:46 (180, 75)  

* 2004 YZ23

短周期彗星のような軌道を持つ特異小惑星。5月から6月にかけて地球に接近し、14等に達する。日本からは、5月中は観測できないが、急速に北上して、6月初めからは観測できるようになる。但し、急激に暗くなる。高度が高くなる6月中旬には15.5等、6月末には17等になってしまうだろう。6月上旬が唯一の観測チャンス。一方、南半球では、5月から6月にかけてずっと高く見える。もし、この天体が彗星であれば、この予報よりだいぶ明るくなっている可能性もある。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  20 56.06  -79 53.6   0.409   1.210   109   15.9   5:19 (359, 45)  
May  21  17 40.39  -70 38.6   0.345   1.250   126   15.3   1:52 (  0, 54)  

* (944) Hidalgo

2004年秋には好条件となり、13等で眼視でも見えた。その後は地球から遠ざかりつつどんどん暗くなっている。8月には16.5等で西空に沈む。2006年も、3月から4月にかけて再び16.5等で観測できるが、その後は去ってしまう。次回帰は2018年で、14.3等止まりである。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   7 20.89   56 49.6   2.608   2.241    57   15.7  18:33 (159, -8)  
May  21   7 46.76   55  9.6   2.681   2.274    55   15.8  18:29 (159, -6)  

* C/2004 L1 ( LINEAR )

3月末に近日点を通過する逆行の彗星が、同じ頃に衝となって地球にも接近して、すれちがいざまに、刹那的に明るくなった。実際には、かなり増光が鈍かったため、思ったほどは明るくならなかったが、それでも、CCDでは4月4日に13.9等(津村光則氏)に達した。眼視でも13等で見えていたはずだが、南に低いため、眼視で見えたという報告はない。今後は急激に減光する。4月27日には、すでに15.6等まで暗くなってきている(中村彰正氏)。5月には16等で夕空に低くなり、あっという間に見えなくなる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   8 34.96   -3 16.1   2.051   2.117    79   15.9  18:33 (143, 52)  
May  21   8 30.35   -1 24.3   2.231   2.139    71   16.1  18:29 (135, 47)  

* C/2005 B1 ( Christensen )

2004年春に発見された小惑星2004 FS101の再発見。1月中旬には18等だったが、3月中旬には16.7等まで増光した。これは、ふつうの彗星と比べて、やや増光のペースが速い。2006年1月頃には、日本からは低いが、14.5等になりそう。2005年春から2006年暮れにかけて、長い間15〜16等で見える。北天を移動するため、日本からはずっと観測できる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  13 39.67   48 25.7   3.734   4.175   109   16.2  22:09 (180,  7)  
May  21  13 32.69   49  6.6   3.769   4.135   104   16.2  21:35 (180,  6)  

* C/2002 T7 ( LINEAR )

予報通りに、ゆっくりと減光している。1月までは14等で眼視でも見えていたが、2月からは見えなくなった。6月には17等になる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   9 22.72   -3  2.3   5.178   5.289    90   16.3  18:33 (162, 57)  
May  21   9 23.01   -2 35.8   5.364   5.359    84   16.4  18:29 (152, 54)  

* P/2005 JQ5 ( Catalina )

周期が4.4年とかなり短い新周期彗星。6月に地球に0.1AUまで接近するため、急激に増光する。6月中旬には夕空で13等に達する。だが、6月下旬にはすぐに太陽に近づいて見えなくなる。7月末に再び明け方の空に15等で現れ、その後は次第に暗くなっていく様子を観測できる。但し、仮に小惑星のような光度変化をしたとすると、6月でも16.5等止まりで、7月以降は20等以下にしかならない。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  15  2.15   -1 21.7   0.366   1.363   162   17.2  23:31 (180, 56)  
May  21  14 46.95    0 31.9   0.305   1.293   154   16.5  22:48 (180, 54)  

* 49P/Arend-Rigaux

1月に急増光して13等に達した。3月8日には12.8等で、視直径は0.9分角と小さく、意外と良く集光していた(3月8日、吉田誠一)。2月下旬に近日点を通過した後、3月中は13等の明るさを保ち、3月31日にもまだ13.2等で見えていた(Edwin van Dijk)。しかし、4月には急激に減光し、4月27日には15.1等まで暗くなった(中村彰正氏)。近日点のごく近くでのみ、急激に増光、減光するタイプの彗星と思われる。6月には17.5等で夕空に低くなり、観測できなくなりそう。但し、この予報より1等ほど明るい可能性もある。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   7 43.63   28  1.1   1.879   1.626    59   16.6  18:33 (148, 19)  
May  21   8  6.60   27 49.5   1.961   1.667    58   16.7  18:29 (148, 19)  

* 121P/Shoemaker-Holt 2

近日点を過ぎて5ヵ月も経ってから最大光度になるという、変わった彗星。予報通り、5ヶ月経った2月に、最大光度に達している。しかし、今回帰は予報より暗く、15.5等止まりだった。眼視では、14.0等以下で見えなかった(2月5日、吉田誠一)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  10 18.65   29 23.0   2.831   3.045    92   16.6  18:50 (180, 26)  
May  21  10 24.16   28 28.7   2.939   3.064    87   16.7  18:29 (180, 27)  

* 62P/Tsuchinshan 1

1月上旬には11等で視直径も2〜5分角と明るく大きく見えたが、その後は予報通り、急激に減光してきている。眼視では、4月5日にもまだ13.8等で見えたが、5月3日には13.8等以下で見なくなった(吉田誠一)。CCDでも、すでに17.0等まで暗くなってきている(4月29日、中村彰正氏)。6月には18等以下になるだろう。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  12 19.23   14 49.1   1.432   2.162   123   16.8  20:50 (180, 40)  
May  21  12 22.07   13 29.1   1.536   2.207   118   17.2  20:25 (180, 42)  

* P/2005 GF8 ( LONEOS )

新周期彗星。現在が最大光度だが、17等止まり。今後はゆっくりと暗くなっていく。7月には西空に低くなる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  13 42.09  -12 26.8   1.967   2.914   154   17.1  22:12 (180, 67)  
May  21  13 39.66  -12 11.4   1.997   2.902   147   17.1  21:42 (180, 67)  

* C/2004 RG113 ( LINEAR )

地球に接近して、1月から3月にかけて、CCDでは15.5〜16等に達した。眼視でも14.3等で見えた(2月6日、Reinder J. Bouma)。しかし、今後は地球から遠ざかり、どんどん暗くなっていく。4月中旬もまだ16.5等と明るいが、6月には18等以下になる。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   9 45.92   22  7.8   1.908   2.129    88   17.2  18:33 (176, 33)  
May  21   9 57.58   19 39.6   2.008   2.165    84   17.4  18:29 (172, 35)  

* C/2003 T3 ( Tabur )

2004年春に近日点を通過して以来、ずっとやや速いペースで減光してきていたが、2004年の暮れからは、一転して減光が緩やかになったようだ。12月16日にはすでに15.4等だったが、3月6日でもまだ15.8等と、ずっとほぼ同じ明るさを保っている(中村彰正氏)。これからしばらく、16等で見え続けるかもしれない。3月26日現在、16.7等と明るい状態を保っている(門田健一氏)。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14   9 48.77   32 58.5   4.708   4.730    85   17.3  18:33 (177, 22)  
May  21   9 50.62   31 58.8   4.877   4.795    79   17.4  18:29 (172, 23)  

* C/2003 O1 ( LINEAR )

遠方のため、2003年夏から1年半も、17.5等で見え続けている。すでに近日点は通過しており、今年はやや暗くなる。それでも、夏まで18等を保つ。

Date(TT)  R.A. (2000) Decl.   Delta     r    Elong.  m1   Best Time(A, h)  
May  14  15 35.04   44 42.8   6.875   7.384   116   17.9   0:09 (180, 10)  
May  21  15 26.89   44 40.8   6.917   7.401   114   17.9  23:29 (180, 10)  

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