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エネルギー関数

 

スケジューラは各要素のエネルギー U を、ステップ毎に、周囲の状況に従っ て変化させていきます。 エネルギーが高い程、その時間にその彗星を観測すべき度合が強いことになりま す。 その結果 tex2html_wrap_inline328 となった場合には、時間jに彗星iを観測すべきと みなし、 tex2html_wrap_inline334 とします。

エネルギーは tex2html_wrap302 の間に限定します。

はじめに、条件の良い時間のエネルギーが高くなるように tex2html_wrap_inline336 の初期値 を設定します。 ここで、彗星iの時間帯jに於ける修正光度を tex2html_wrap_inline342 、彗星iの修正光 度の最も明るい値を tex2html_wrap_inline346 とします。 まず、彗星iの面積 tex2html_wrap_inline350 を次のように定めます。

displaymath312

彗星の観測条件が時間によらず一定の場合に、面積が最小値 tex2html_wrap_inline352 をとりま す。 ここで、 tex2html_wrap_inline354 は時間帯の総数です。 その場合、各時間帯j毎の彗星iを観測すべき重みは小さくします。 つまり、どの時間帯に観測しても構わないということです。 逆に、面積が大きい場合は、条件の悪い時間帯が多いという意味なので、条件の 良い時間帯の重みを大きくします。 以上の点を考慮し、エネルギーの初期値を以下のように定めます。

displaymath313

各ステップ毎の tex2html_wrap_inline360 の変化量 tex2html_wrap_inline362 は、以下のように定義 します。 まず、 tex2html_wrap_inline364 とし、以下の手順で求めます。

  • 増加
    • その彗星を観測する時間帯がない tex2html_wrap303
      時間帯jが空いている時、エネルギーを増加させます。 修正光度が明るい、即ち条件の良い時間帯程大きく増加させます。 その時間帯に観測すべき彗星が既にある場合は増加させませんが、明るい彗星 を優先的に選択する場合で、彗星iの修正光度の方が明るい時には、エネルギー を増加させます。

      displaymath314

  • 減少
    • その時間帯に観測する彗星が2つ以上ある tex2html_wrap304
      観測できる時間帯の多い彗星程、大きく減少させます。 明るい彗星を優先的に選択する場合で、同じ時間帯に彗星iの修正光度よりも 明るい彗星がある場合は、さらに2を引きます。

      displaymath315

    • その彗星を観測する時間帯が2つ以上ある tex2html_wrap305
      修正光度が暗い、即ち条件の悪い時間帯程大きく減少させます。

      displaymath316

  • ランダム
    局所解に陥らないために、ランダムを導入しています。 1割の確率で tex2html_wrap_inline3741増加、1割の確率で tex2html_wrap_inline3781 減少させています。

tex2html_wrap306 が求まったら、

displaymath317

displaymath318

とし、次のステップに進みます。

エネルギーの変化は、各要素毎に並行に行われる訳ではありません。 tex2html_wrap_inline382 から tex2html_wrap_inline384 まで、1要素ずつ順番に tex2html_wrap_inline386 の値が変化していきます。 tex2html_wrap_inline388 を変化させる時には、他の全ての要素は変化し終わっ ていて、その新しい tex2html_wrap_inline390 を元に tex2html_wrap_inline392 が計算されます。

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Tue Apr 15 03:02:01 JST 1997