English version Home Page Updated on August 1, 2001
画像の検査
このページでは、PIXYシステム2を使って画像を検査し、画像の中心座標や画角を求めたり、カタログに載っていない星を調べたり、すべての星の位置と光度を測定する方法を紹介します。 PIXYシステム2のページ例として、次のFITS画像を使用しますので、ここからダウンロードして下さい。
この画像は、2000 NMという小惑星を撮影した画像です。 PIXYシステム2を使って画像を検査すると、次のようなことが分かります。
PIXYシステム2を使って画像を検査する手順は、次の通りです。
この手順を、詳細に紹介します。 PIXYシステム2を起動し、メインメニュー画面から、「Image Examination」を選びます。 すると、新しい仮想デスクトップウィンドウが開きます。 まず、検査する画像を開きます。 メニューの[Operations] - [Open Image]を選び、先程ダウンロードした画像を開いて下さい。 エクスプローラ等からファイルをドラッグし、デスクトップウィンドウにドロップすることもできます。 次に、メニューの[Operations] - [Detect Stars]を選び、しばし待ちます。 この間、PIXYシステム2は、開いた画像から、星像を検出しています。 処理が終わると、検出された星像をプロットした「Detected Stars」というウィンドウが開きます。 次に、メニューの[Operations] - [Matching]を選びます。 すると、測定に利用するカタログの設定を行うダイアログが開きます。 このサンプルの場合は、カタログとしてUSNO-A1.0もしくはUSNO-A2.0を使用します。 また、赤経赤緯は18h09m40s、-06o17'とし、画角は0.3×0.2度として下さい。 設定が終わったら、しばし待ちます。 この間、PIXYシステム2は、カタログからデータを読み込み、検出した星像とのマッチング処理を行っています。 処理が終わると、カタログから読み込んだデータをプロットした「USNO-A2.0」というウィンドウが開きます。 尚、この時点では、「USNO-A2.0」ウィンドウには、わずかな数の星しか描かれません。 次に、メニューの[Operations] - [Make Pairs]を選び、しばし待ちます。 この間、PIXYシステム2は、すべての星の位置と光度を測定したり、カタログに載っていない星を選別したりしています。 処理が終わると、「Detected Stars」ウィンドウと「USNO-A2.0」ウィンドウの星が、緑色と赤色に変化します。 また、それぞれのウィンドウに描かれる星の個数が、適切に調節されています。 赤い色で描かれた星は、カタログに載っていない星か、カタログに載っていながら写っていないという星です。 サンプル画像では、中央下に2つと、中央上に1つ、カタログに載っていない明るい星があります。 この3つの星をマウスでクリックすると、次のようなデータが表示されます。
このような天体は、彗星や小惑星、変光星であるか、もしくは新天体の可能性があります。 写野内の彗星や小惑星、変光星、星雲星団について調べるには、同定を行います。 ここでは、Minor Planet Checkerを使って、彗星と小惑星について調べてみましょう。 メニューの[Analysis] - [Identify]を選びます。 すると、同定を行うカタログを選択するダイアログが開きます。 ここで、「Minor Planet Checker」を選び、OKボタンを押します。 すると、撮影時刻を入力する画面が表示されます。 この画像の撮影時刻は、2000年7月3日 14:36:17(UT)ですので、その通りに設定して下さい。 後は、システムが自動的にMinor Planet Checkerで検索を行います。 同定が終了すると、メッセージが表示されます。 同定が終了したら、結果を星図で確認してみましょう。 メニューの[Analysis] - [Identification Overview Chart]を選びます。 すると、画像から検出された星像と、測定に利用したカタログ(この場合はUSNO-A2.0)、そして同定された彗星や小惑星が、すべてプロットされた星図が表示されます。 この結果を見ると、下に並んだ2つの赤い星像のどちらかが、小惑星と同定されそうだと分かります。 この星をマウスでクリックすると、この天体が小惑星2000 NMであることが分かります。 詳しい位置計算をしたところ、右側の星像が、小惑星2000 NMであると判明しました。 彗星や小惑星の他に、変光星や星雲星団の同定も可能です。 但し、この画像の例では、写野内に変光星や星雲星団は存在しません。 残りの2つの赤い星像については、既知の小惑星や変光星では、該当するものが見つかりません。 おそらく、未知の変光星ではないかと思われますが、確認のためには、もう一度、この場所を撮影する必要があります。 「Log Window」には、画像中心の赤経赤緯、画角、回転角、極限等級、測定誤差、恒星数といった、画像情報が出力されています。 このサンプル画像では、次のような結果になりました。
検査結果は、XMLファイルに保存しておきましょう。 メインメニュー画面から、「Review」を選び、保存したXMLファイルを開けば、検査結果を再現し、再びデータを見たり、同定を行ったりすることができるようになります。 サンプル画像の検査結果: PIXYシステム2の「Review」でこのXMLファイルを開くと、このページで紹介されている画面を再現することができます。 |