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写野内の彗星、小惑星、変光星、星雲星団の調査     このページで使われているサンプル画像は、門田健一氏が撮影したものです。 このページでは、PIXYシステム2を使って画像を検査した後で、写野内に存在する彗星、小惑星、変光星、星雲星団を調べる方法を紹介します。 PIXYシステム2のページ 例として、次のFITS画像、および検査結果のXMLファイルを使用しますので、ここからダウンロードして下さい。 このXMLファイルは、サンプル画像をUSNO-A2.0を利用して検査したものです。 1998p1.fts 1998p1.xml この画像には、明るい星雲状天体が２つ写っています。 拡大表示 PIXYシステム2を使って写野内に存在する彗星、小惑星、変光星、星雲星団を調べる手順は、次の通りです。 予め、画像の検査の手順に従って画像を検査し、結果をXMLファイルに保存しておきます。 「Review」ボタンを押す。 メニューの[File] - [Open XML File]を選び、XMLファイルを開く。 メニューの[Analysis] - [Identify]を選ぶ。 カタログを選び、実行する。 しばし待つ。 この手順を、詳細に紹介します。 PIXYシステム2を起動し、メインメニュー画面から、「Review」を選びます。 すると、新しい仮想デスクトップウィンドウが開きます。 まず、検査結果のXMLファイルを開きます。 メニューの[File] - [Open XML File]を選び、先程ダウンロードしたXMLファイルを開いて下さい。 エクスプローラ等からファイルをドラッグし、デスクトップウィンドウにドロップすることもできます。 通常は、XMLファイルを開くと、画像も自動的に表示されます。 もし、画像ファイルが見つからない、というメッセージが表示された場合は、メニューの[File] - [Open Image File]を選び、先程ダウンロードした画像を開いて下さい。 次に、メニューの[Analysis] - [Identify]を選びます。 すると、同定を行うカタログを選択するダイアログが開きます。 写野内に存在する彗星、小惑星、変光星、星雲星団を一通り調べる場合は、以下のカタログについて同定を行うと良いでしょう。尚、１回に同定できるカタログは１つだけですので、繰り返し同定を行う必要があります。 彗星、小惑星 Minor Planet Checker 変光星 General Catalogue of Variable Stars (GCVS 2000) 星雲星団 NGC 2000.0 これらのカタログは、別途入手する必要があります。カタログの入手先については、カタログを選択し、Help ボタンを押すと、情報が表示されます。例えば、NGC 2000.0 の場合は、以下の情報が表示されます。 NGC 2000.0 Complete New General Catalogue and Index Catalogue of Nebulae and Star Clusters Astronomical Data Center catalog No. 7118 ADC CD-ROM Vol. 4 Download: ftp://adc.gsfc.nasa.gov/pub/adc/archives/catalogs/7/7118/ngc2000.dat.gz カタログによっては、gzip コマンドで圧縮されている場合があります。そのようなカタログは、ファイル名に「.gz」がついています。PIXYシステム2は、gzip で圧縮されているファイルも読み込むことができますので、圧縮を戻す必要はありません。 Minor Planet Checker の場合は、自動的にサーバに検索が行われますので、カタログを入手する必要はありません。 サンプル画像について、GCVS 2000、NGC 2000.0, Minor Planet Checker に加え、IRAS Point Source Catalogue とも同定した結果は、次の通りになります。 PIXYシステム2の「Review」でこのXMLファイルを開くと、このページで紹介されている画面を再現することができます。 1998p1-2.xml 同定された結果は、チャートにプロットして確認することができます。 メニューの[Analysis] - [Identification Overview Chart]を選ぶと、同定された天体をプロットしたオーバービューチャートが表示されます。 チャートにプロットされた星をクリックすると、天体の情報が表示されます。 拡大表示 表示するカタログの種類は、チャートの下の表のチェックボックスで制御できます。 サンプル画像に写っていた２つの明るい星雲状天体のうち、左側の天体は、NGC 4303 (M61) であることが判明しました。USNO-A2.0 には、データが記載されていないことも分かります。 右側の星雲状天体は、ウィリアムズ彗星(C/1998 P1)であることが判明しました。 画像には、NGC 4303 の他にも、NGC 4255, NGC 4292, NGC 4301 といった星雲が写っていることが分かります。 画像の上端に写っている明るい星は、おとめ座の KO Vir という変光星であることが分かります。また、IRAS Point Source Catalogue, USNO-A2.0 にも、それぞれ IRAS 12196+0507, USNO-A2.0 0900.07135311 という名前で記載されていることが分かります。 同定結果は、一覧表にして見ることができます。 メニューの[Analysis] - [Identification Report]を選ぶと、一覧表が表示されます。 拡大表示 表の左側には、同定されたカタログがツリー表示されています。 右上には、左側のツリーで選択したカタログのデータが表示されています。 右下には、右上の表で選択した天体の検出データ、およびその天体と同定されたすべてのカタログのデータが表示されます。 右下の表には、右上の表で選択した天体からの離角も表示されています。 この結果によって、同定が正しいかどうかの検証が行えます。