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    PXFファイルの書式    

PIXYシステムで画像を検査して作成されるPXFファイルの読み方を解説します。 一度PIXYシステムで検査してPXFファイルを作成した後は、同定や差分など、すべての処理がこのPXFファイルを基に行われます。

    解説    

チュートリアルのサンプル画像を検査した結果のPXFファイル(sample2.pxf)を例に解説します。 sample2.pxfをご覧になりつつお読み下さい。

※ sample2.pxf は、同定を行った後のものになっています。

o 入力パラメータ

[Input Data]
image=sample.fts
exposure_start=1998 Mar. 7  16:22:27 UT
exposure=20.0 sec
catalog=[CD-ROM] Guide Star Catalog (ver. 1.1)
center=11 48 00.00 +48 00 00.0
pos_error=0.0 deg
field_of_view=1.0 deg
mirror=n
sbig_ratio=n
reject_CR=y

[Input Data]の欄には、PIXYシステムに入力したパラメータが記録されています。 1行に1パラメータで、「キー=値」という書式になっています。 各キーの意味については、入力パラメータをご覧下さい。

o 画像情報

[Image Information]
image=sample.fts
image_size=400 x 300
exposure_start=1998 Mar. 7  16:22:27 UT
exposure=20.0 sec
center=11 50 00.78 +48 14 22.9
field_of_view=1.037 x 0.778 deg
pixel_size=9.33" / pixel
p.a.=99.98 deg
limiting_mag=14.40 mag
faintest_mag=15.63 mag
pos_error=3.25" 2.66"
mag_error=+/- 0.20 mag +/- 1.0 at 12.45 mag

[Image Information]の欄には、PIXYシステムで求められた、画像に関する諸情報が記録されています。 1行に1データで、「キー=値」という書式になっています。 各キーの意味は次の通りです。

キー内容
image画像ファイル名、もしくはURL
image_size画像の大きさ(ピクセル単位)
exposure_start露出開始日時
exposure露出時間
center画像中心の赤経赤緯
field_of_view画角
pixel_size1ピクセル当たりの画角
p.a.上方向の位置角 (0度の場合は北が上、90度の場合は東が上という意味)
limiting_mag極限等級
faintest_mag最微等級
pos_error位置測定誤差 (赤経の誤差、赤緯の誤差)
mag_error光度測定誤差

極限等級と最微等級

検出された星のうち最も暗いものの光度が最微等級です。 一方、測定誤差等を考慮して、確実に何等星まで写っているかを表したものが極限等級です。

星表に掲載されていない星(ND)や、星表に掲載されているが検出されなかった星(NC)は、極限等級よりも明るいものだけを出力します。 極限等級よりも暗いNDは、ノイズである可能性が高いとして、出力しません。 また、極限等級よりも暗いNCは、検出されなくても不思議ではないとして、出力しません。

光度測定誤差

光度測定誤差は、暗い星ほど大きくなりますので、以下のような式の形式で表されています。

mag_error=+/- 0.20 mag +/- 1.0 at 12.45 mag

具体的には、等級に依存しない誤差と、等級に依存する誤差の、2種類の誤差から成り立っています。 この例では、+/- 0.20 magが等級に依存しない誤差、+/- 1.0 at 12.45 magが等級に依存する誤差を表しています。 等級に依存する誤差は、その大きさが1.0等になる光度が出力されています。 この例では、12.45等星の光度測定誤差が、0.20 + 1.0 = 1.20等、という意味になります。

これらは、正しくは誤差ではなく、光度の有意な変動を調べるための閾値です。 そのため、実際の測定誤差よりもかなり大きな値となっています。

o 検出結果統計

[Statistics]
PS=107
RM=5
RP=2
ND=1
NC=5
NR=3

[Statistics]の欄には、PIXYシステムが検出した星の個数が記録されています。 1行に1データで、「キー=値」という書式になっています。 各キーの意味は次の通りです。

キー内容
PS星表に掲載されている通りに検出された星
RM光度が星表に掲載されている値と異なる星
RP位置が星表に掲載されている値と異なる星
ND星表に掲載されていない星
NC星表に掲載されているが検出されなかった星
NR同定データベースに存在するが検出されなかった星

o 検出星像データ

PS-00001
O=GSC3452.1353
D| 11 51 57.96 +48 05 19.2  mag= 8.90  x= 164.97  y=  16.10
C| GSC3452.1353  11 51 58.17  +48 05 19.0   8.80

RM-00004
O=GSC3452.1191
V=HT UMA
S=IRAS 11455+4848
D| 11 48 14.71 +48 31 25.3  mag= 7.53  x= 288.60  y= 280.24
C| GSC3452.1191  11 48 14.69  +48 31 25.7   8.03
R| HT UMA  R.A.=11 48 14.70  Decl.=+48 31 25.6  8.275 - 8.39
1 mag (Hp)  Sp:M2III
R| IRAS 11455+4848  R.A.=11 48 13.26  Decl.=+48 31 32.4  (33
x 3", p.a.=122)  flux(12)=1.65  flux(25)=0.43  flux(60)=<0.4
0  flux(100)=<1.00  5% variable
M| O-C(Mag)=-0.50 mag

RM-00005
O=GSC3452.1523
N=NGC 3893
N=MCG+08-22-007
S=IRAS 11460+4859
D| 11 48 38.06 +48 42 37.7  mag=11.33  x= 363.94  y= 267.73
C| GSC3452.1523  11 48 38.20  +48 42 38.8   7.52
R| NGC 3893  (galaxy)  R.A.=11h48.6m  Decl.=+48o43'  size=4.
4'  mag=11p
R| MCG+08-22-007  NGC 3893  R.A.=11 48.5  Decl.=+48 42  11.0
mag
R| IRAS 11460+4859  R.A.=11 48 38.05  Decl.=+48 42 38.3  (22
x 7", p.a.=123)  flux(12)=0.82  flux(25)=1.13  flux(60)=13.8
0  flux(100)=35.07  4% variable
M| O-C(Mag)=+3.81 mag

※ 都合により、一部強制的に改行しています。

[Data]の欄には、PIXYシステムが検出したすべての星像のデータ、及び検出されなかった星のデータが記録されています。 1つ1つの星像データどうしは、空行で区切られています。

個々の星像データの最初の行は、星像に付けられたIDです。 前述のPS, RM, RP, ND, NC, NRのそれぞれについて、1から順に番号が付けられます。

IDの後に、いくつかの別名が記録されています。 別名は「種類=名前」という書式で、検出星像に対応する星表中の恒星名や、同定された既知変光星名等が記録されます。 別名の種類について、詳しくは同定データベースの天体の種類をご覧下さい。

D| から始まる行は、検出された星像のデータです。 検出位置、検出光度、画像上の座標等が記録されています。

C| から始まる行は、星表中の対応する恒星のデータです。 星名、赤経赤緯、光度等が記録されています。

R| から始まる行は、同定された既知変光星等のデータです。

M| から始まる行はメモ欄です。 ユーザがPXFファイルにコメントを記入する場合等に利用します。 RMまたはRPとなった星像については、PIXYシステムが星表との位置差、光度差を計算し、メモ欄に記録します。

PIXYシステムのホームページ

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