吉田誠一の彗星観測日記(2004年)

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* 2004年12月30日〜31日(観測した彗星:1個)

横浜市内・鶴見川沿いでの彗星観測です。

C/2004 Q2 ( Machholz )

12月30日   3.7等   視直径24分   DC 7   (10x70 単眼鏡)

12月31日   3.7等   視直径24分   DC 7   (10x70 単眼鏡)

30日は宵のうちから曇り始めましたが、その前に観測しました。31日は昼間は雪でしたが、年が明ける頃から急に晴れ上がって来ました。除夜の鐘を聴きながらの観測となりました。

* 2004年12月27日〜29日(観測した彗星:1個)

横浜市内・自宅寝室と鶴見川沿いでの彗星観測です。

C/2004 Q2 ( Machholz )

12月27日   3.8等   視直径18分   DC 7   (10x70 単眼鏡)

12月29日   3.9等   視直径26分   DC 7   (10x70 単眼鏡)

赤緯が高くなって、自宅寝室からは見えなくなってしまいました。29日は一日中雪の後、夜遅くになって非常に透明度の良い快晴になりました。彗星もかなり明るく大きく、ここ最近で最も迫力ある姿に感じられました。

* 2004年12月22日〜25日(観測した彗星:1個)

横浜市内・自宅寝室での彗星観測です。

C/2004 Q2 ( Machholz )

12月22日   3.8等   視直径20分   DC 7   (10x70 単眼鏡)

12月25日   3.9等   視直径16分   DC 6〜7   (10x70 単眼鏡)

中心が恒星状に近く見えるようになってきた感じです。特に22日は集光を強く感じました。

* 2004年12月16日〜20日(観測した彗星:1個)

横浜市内・自宅寝室での彗星観測です。

冬なのに晴れません。。。

C/2004 Q2 ( Machholz )

12月16日   4.5等   視直径16分   DC 6   (10x70 単眼鏡)

12月20日   4.1等   視直径18分   DC 6   (10x70 単眼鏡)

* 2004年12月11日(観測した彗星:13個+小惑星:2個)

北軽井沢での彗星観測です。

時折、薄い雲が往来しましたが、おおむね一晩中快晴でした。狙える彗星が多いのは嬉しいのですが、氷点下の夜に6時間連続で観測するのは、ちょっと辛いところもあります。

C/2001 Q4 ( NEAT )

約12.3等   視直径1.8分   DC 2   (40.0cm 反射 144倍)

13.70等星と重なって見づらいのですが、非常に淡い像が広がっています。ただ、ちょっとぼかしすぎたのか、先月より明るい見積りになってしまいました。

C/2002 T7 ( LINEAR )

14.0等   視直径0.7分   DC 3   (40.0cm 反射 144倍)

思っていたよりずっと暗く、小さく、拡散状で、見づらいです。

C/2003 T4 ( LINEAR )

11.5等   視直径1.5分   DC 4   (40.0cm 反射 144倍)

かなり明るくなってきました。淡く大きく広がっています。ただ、意外と中心ははっきりしない印象です。

C/2004 Q1 ( Tucker )

10.9等   視直径2.0分   DC 7   (40.0cm 反射 75倍)

ちょっと暗くなってきましたが、まだ集光は強く、明るく大きく見えます。

C/2004 Q2 ( Machholz )

4.3等   視直径20分   DC 7   (肉眼)

4.8等   視直径17分   DC 6   (10x70 単眼鏡)

これはすごい! 肉眼でも楽勝で見えます。集光は強いですが、肉眼でも星雲状です。単眼鏡では、横浜で見るのとは全く別物で、かなり明るく濃く見えますが、測定値は何故か暗めになりました。

C/2004 U1 ( LINEAR )

13.4等   視直径0.9分   DC 3   (40.0cm 反射 144倍)

ちょっとDCを決めにくい感じでした。直視すると小さく集光した姿にも思えるのですが、目を逸すと淡く広がったふつうの彗星に見えます。

29P/Schwassmann-Wachmann 1

13.0等   視直径1.6分   DC 1   (40.0cm 反射 144倍)

淡く大きく広がっています。すっかり拡散状で、ほとんど集光していません。だいぶ前のバーストの名残り、という感じです。今年見た中では最も暗くなっていましたが、それでも大口径では、すぐに存在が分かるくらいの明るさは保っています。

32P/Comas Sola

12.8等   視直径1.3分   DC 5   (40.0cm 反射 144倍)

明るい星の近くでやや見づらいのですが、少しだけ明るくなってきたようです。ほどよく集光しています。

62P/Tsuchinshan 1

11.8等   視直径2.4分   DC 2   (40.0cm 反射 144倍)

拡散状で淡く、とても大きく広がっています。ですが、先月よりだいぶ明るくなっていて、大口径なら楽に見えます。すぐ近くのM65、M66、NGC 3628もついてに鑑賞しましたが、筑波山で見るのとは全く違いますね。3銀河とも、視野いっぱいに伸びる淡い腕が大迫力でした。

69P/Taylor

13.5等より暗い   視直径1.0分   (40.0cm 反射 144倍)

見えません。まだスイッチは入っていないようです。

78P/Gehrels 2

11.2等   視直径1.9分   DC 7   (40.0cm 反射 75倍)

やや暗くなってきましたが、集光は鋭いです。ただ、コマはかなり淡く大きく、中心部を取り巻いている感じです。尾もあるようですが、はっきりしません。

121P/Shoemaker-Holt 2

13.6等より暗い   視直径1.2分   (40.0cm 反射 144倍)

見えません。まだ早すぎたようです。

162P/Siding Spring

14.5等より暗い   (40.0cm 反射 144倍)

もう暗くなってしまったらしく、見えませんでした。恒星状だそうなので、ピントをぼかさずに極限等級を求めました。

(944) Hidalgo

14.2等   DC 9   (40.0cm 反射 144倍)

かなり暗くなってきました。

(3200) Phaethon

14.4等   DC 9   (40.0cm 反射 144倍)

予報では15等台のはずですが、意外にも見えました。但しかなり暗いです。

* 2004年12月10日(観測した彗星:1個)

横浜市内・自宅寝室での彗星観測です。

C/2004 Q2 ( Machholz )

4.5等   視直径18分   DC 5〜6   (10x70 単眼鏡)

だいぶ淡く大きく広がって見えるようになってきました。

* 2004年12月6日〜7日(観測した彗星:1個)

横浜市内・自宅寝室での彗星観測です。

C/2004 Q2 ( Machholz )

12月6日   4.9等   視直径12分   DC 5   (10x70 単眼鏡)

12月7日   4.7等   視直径12分   DC 5〜6   (10x70 単眼鏡)

* 2004年12月5日(観測した彗星:1個)

横浜市内・自宅寝室での彗星観測です。

C/2004 Q2 ( Machholz )

4.8等   視直径15分   DC 6   (10x70 単眼鏡)

遂に4等台に突入!高度が上がって、だいぶまともな彗星らしい姿に見えるようになってきました。集光が強く、中心角は恒星状に近い感じに見えます。

* 2004年12月1日〜2日(観測した彗星:1個)

横浜市内・自宅寝室での彗星観測です。

C/2004 Q2 ( Machholz )

12月1日   5.0等   視直径11分   DC 4   (10x70 単眼鏡)

12月2日   5.2等   視直径13分   DC 5   (10x70 単眼鏡)

11月上旬から狙っていましたが、光害がひどくまったく見えませんでした。11月末に見え始め、昨晩からようやく観測できるくらいに見えるようになってきました。ただ、透明度の良い晴れは今夜までらしいので、次はまたしばらく後になりそうです。

* 2004年11月9日(観測した彗星:12個+小惑星:1個)

北軽井沢での彗星観測です。

明け方に一時的に霧が出ましたが、ほぼ一晩中快晴でした。明け方の東の空では、細い月・金星・木星が三連会合していました。たいへん美しい眺めでした。

C/2001 Q4 ( NEAT )

12.8等   視直径1.2分   DC 2   (40.0cm 反射 144倍)

かなり拡散した印象で、淡く大きく広がっています。頭部の中心はまだそれなりに明るくはっきりしているのですが、淡く大きく広がったコマのために、却って見づらくなっている感じです。

C/2003 K4 ( LINEAR )

7.0等   視直径4.4分   DC 6〜7   (40.0cm 反射 36倍)

集光が強く、明るく大きいです。低空でも見やすいです。見た目の印象では、急に衰退して減光した彗星、という感じはしません。

C/2003 T3 ( Tabur )

13.6等より暗い   視直径0.7分   (40.0cm 反射 144倍)

見えなくなってしまいました。

C/2003 T4 ( LINEAR )

12.7等   視直径1.0分   DC 3   (40.0cm 反射 144倍)

少しだけ明るくなってきた気がしますが、まだ低いので見づらいです。

C/2004 Q1 ( Tucker )

9.8等   視直径4.2分   DC 6   (40.0cm 反射 36倍)

明るく大きいです。

C/2004 Q2 ( Machholz )

7.0等   視直径10分   DC 4   (10x70 単眼鏡)

更に増光して、双眼鏡クラスで楽に見えるようになってきました。

P/2004 T1 ( LINEAR-NEAT )

13.8等より暗い   視直径0.6分   (40.0cm 反射 144倍)

見えなくなってしまいました。

29P/Schwassmann-Wachmann 1

12.9等   視直径1.1分   DC s4   (40.0cm 反射 144倍)

10月より小さく、かなり暗くなりました。中心に非常に暗い恒星状の核があり、そのまわりをDC=4のコマが取り巻いている感じです。

32P/Comas Sola

13.4等   視直径0.9分   DC 5   (40.0cm 反射 144倍)

かなり明るくなっていて驚きました。すでに40cmでは楽に見えるくらいになっています。

62P/Tsuchinshan 1

13.8等   視直径2.0分   DC 1〜2   (40.0cm 反射 144倍)

恐ろしく拡散した大きな淡い像が見えます。

78P/Gehrels 2

10.3等   視直径2.1分   DC 6   4.2分(位置角255度)   (40.0cm 反射 36倍)

また更に明るくなりました。頭部が丸く大きくなり、以前のような鋭さがなくなり、やわらかくなった印象です。

88P/Howell

13.1等より暗い   視直径0.6分   (40.0cm 反射 144倍)

14等以下だと分かっているので、意味のある観測になりませんでした。見えないと思った時点で早々に諦めてしまったのですが、ちょっと目が暗順応していなかったみたいです。

(944) Hidalgo

13.2等   DC 9   (40.0cm 反射 144倍)

まだ明るく見えています。もちろん恒星状です。

* 2004年10月15日(観測した彗星:10個+小惑星:1個)

北軽井沢での彗星観測です。

昼間からの透明度の良い快晴が夜まで続きました。ただ、2:30頃から急に薄い雲が流れて来て、明け方は東と南の空が観測できませんでした。それでも一晩に10彗星の観測は、自己最高記録となりました。

夕方は、雲1つ無い赤い空をバックに、山麓に噴煙をたなびかせる浅間山の姿が、たいへん美しく見えました。

C/2001 HT50 ( LINEAR-NEAT )

13.7等より暗い   視直径0.7分   (40.0cm 反射 144倍)

やっぱり見えませんでした。これで諦めることにします。

C/2001 Q4 ( NEAT )

11.4等   視直径1.7分   DC 3〜4   (40.0cm 反射 75倍)

まだまだ明るく見えていますが、集光が弱くなっていました。

C/2003 T4 ( LINEAR )

約13.7等   視直径0.8分   DC 5   (40.0cm 反射 144倍)

まだまだ暗いです。ちょっと周りに星が少なすぎて、比較星を充分に取れず、うまく光度を決められませんでした。また、この辺りはGSCしか使えませんが、まったく違う2つの光度が載っていて、信頼できなそうです。

C/2004 Q1 ( Tucker )

10.2等   視直径1.9分   DC 6〜7   4分(位置角190度)   (40.0cm 反射 75倍)

1ヵ月前とはまったく別の姿に成長していました。とても明るいです。南に向かって、幅広い尾がばっと伸びていました。但し、尾はたいへん淡いです。

C/2004 Q2 ( Machholz )

8.1等   視直径6.5分   DC 6   (40.0cm 反射 36倍)

すでにかなり明るく大きくなっています。尾らしきものも見えているような感じです。本当は、単眼鏡との見え方の違いを見比べようと思っていたのですが、先に40cmで目測した後、単眼鏡を組み立てている間に雲がかかり、二度と晴れることはありませんでした。

P/2004 T1 ( LINEAR-NEAT )

13.3等   視直径0.8分   DC 3   (40.0cm 反射 144倍)

暗いですが、小さい姿が意外と分かります。ただ、DCがちょっと決めづらい感じでした。

29P/Schwassmann-Wachmann 1

11.7等   視直径1.5分   DC 2   (40.0cm 反射 144倍)

楽に見えます。バーストから何日も経ったような感じで、拡散状で、集光はありません。ベタっとしていて、明るいというより、濃い雲のような印象です。

32P/Comas Sola

14.0等   視直径0.9分   DC 6   (40.0cm 反射 144倍)

すでに充分明るく見えるようになっていました。やや集光が強い感じです。ただ、GSCを調べるとこの近くに15.34等星があるので、その影響で集光を誤って感じたかもしれません。

78P/Gehrels 2

11.0等   視直径1.1分   DC 7   1.7分(位置角260度)   (40.0cm 反射 75倍)

相変わらず集光が強く、小さく鋭いコマから、長くすらっとした尾が伸びています。

88P/Howell

14.1等   視直径0.9分   DC 2   (40.0cm 反射 144倍)

非常に淡い何かあるような…、という程度しか見えません。22時過ぎに一度捉えたのですが、すぐに薄い雲がかかってしまいましたので、2時に再確認しました。

(944) Hidalgo

13.2等   DC 9   (40.0cm 反射 144倍)

完全に恒星状でした。すでに楽に見えるほど明るくなっていました。

* 2004年9月17日(観測した彗星:7個)

北軽井沢での彗星観測です。

昼間や宵のうちは曇っていても、真夜中過ぎから薄明開始までは快晴という、この地域特有の天気でした。しかし、非常に湿気が多く、霧の中にいるような感じでした。2時間半の間に9天体に望遠鏡を向けたので、大忙しでした。

3日間滞在していましたが、浅間山はたびたび音を立てて噴煙を巻き上げていました。けっこう降灰もあり、特に雨が降るとそこらじゅうが灰だらけになってしまいました。

この他には、SN 2004dj がまだ12.2等と明るく見えていました。C/2003 T4 は低空のため意味のある観測ができませんでした。

C/2001 HT50 ( LINEAR-NEAT )

13.8等より暗い   視直径0.4分   (40.0cm 反射 144倍)

衝になったこの彗星に望遠鏡を向けてみましたが、見えませんでした。すぐ近くに13.9等星があって、少し邪魔でした。

C/2001 Q4 ( NEAT )

10.7等   視直径1.1分   DC 6   (40.0cm 反射 144倍)

まだまだ明るくはっきり見えています。

C/2003 T3 ( Tabur )

12.1等   視直径0.7分   DC 2   (40.0cm 反射 144倍)

のっぺりとしていて集光がありません。6月に見た時と印象が似ていて、そのまま暗くなった感じです。

C/2004 Q1 ( Tucker )

11.8等   視直径1.7分   DC 6〜7   (40.0cm 反射 144倍)

まん丸で可愛いらしい姿です。78P は尾が見えるのですが、こちらは正面から見ている感じで、形状の対比も面白いです。

C/2004 Q2 ( Machholz )

9.8等   視直径2.5分   DC 6〜7   (40.0cm 反射 75倍)

かなり明るくて大きいです。

29P/Schwassmann-Wachmann 1

12.1等   DC 8〜9   (40.0cm 反射 144倍)

偶然にも、新しいバーストの直後でした。ほとんど恒星状で、かなり明るいです。実は、初めに2時過ぎに見た時には、ただの恒星だと勘違いしていました。29P は恒星と重なって見えていないものだと思ってしまいました。そこで、4時前になって、もうそろそろ恒星から離れたかな、と思ってもう一度向けてみたのですが、どうも、さっきの恒星だけが滲んで見えます。よくよく星図を見てみると、星図にある星はちょっと位置がずれています。…という訳で、実は 29P だったのでした。

78P/Gehrels 2

11.7等   視直径1.1分   DC 7   1.7分(位置角240度)   (40.0cm 反射 144倍)

明るく、はっきりと尾も見えました。

* 2004年8月21日(観測した彗星:2個)

北軽井沢での彗星観測です。

群馬県の、嬬恋村と長野原町との境辺りで観測しました。

夕方は小雨が降って、夜中まで曇っていましたが、2:30に起きてみると何と快晴になっていて、慌てて観測しました。薄明が進むと共に雲が湧いてきて、朝にはまた小雨になってしまいました。

これらの前に29Pを観測しようと思っていたのですが、ファインダーを覗いて見ると、GSCの星図と星の配置がぜんぜん一致しません。そういえば、秋の空はGSCはエラーばかりだということを忘れていました。時間がないので、29Pは諦めてしまいました。

また、時間がなくて軒先で観測したため、C/2003 T3 は家の陰で見えませんでした。

78P/Gehrels 2

12.4等   視直径1.1分   DC 5〜6   (40.0cm 反射 144倍)

今回帰の初見です。6年半ぶりの再会です。すでにかなり明るくなっており、楽に見えました。良く集光していて見やすいです。

88P/Howell

14.1等   視直径1.4分   DC 3   (40.0cm 反射 144倍)

今回帰の初見です。5年半ぶりの再会です。最近見た人がいないのでかなり暗くなったのかもと思いつつ、計算上は12.5等のはずでしたので、望遠鏡を向けてみました。すると、かなり淡く拡散した、やや大きなぼうっとした姿がありました。但し、移動は確認していません。

* 2004年8月20日(観測した彗星:3個)

筑波山での彗星観測です。

雲量6〜7と雲が多かったのですが、風が強いために雲の動きが早く、雲間から観測できました。晴れ間の透明度は良いようでした。

3彗星を見た後、夜中には曇ってしまいました。

C/2001 Q4 ( NEAT )

9.4等   視直径2.3分   DC 6   (40.0cm 反射 75倍)

すっかり小さくなっていました。ネットの情報から8.5等くらいかと思っていましたが、実際にはもっと小さく、暗く感じられました。ほどよく集光しています。

C/2003 K4 ( LINEAR )

7.1等   視直径3.1分   DC 7   (40.0cm 反射 75倍)

2ヶ月も見ないうちに、すっかりふつうの彗星になっていました。明るい彗星なので、40cmで観測するのは不適切ですね。実際より小さめに見積もって、測定光度も暗めに出ているはずです。

C/2004 H6 ( SWAN )

12.3等   視直径1.6分   DC 1   (40.0cm 反射 144倍)

初見です。ずいぶん前から拡散して暗くなっていると聞いていたので、全く見えないだろうと覚悟していたのですが、透明度が良かったせいか、意外にも拡散した淡い姿が見えました。但し、移動は確認していません。

* 2004年6月15日(観測した彗星:2個)

茨城県藤代町での彗星観測です。

C/2001 Q4 ( NEAT )

6.8等   視直径7分   DC 7   (40.0cm 反射 36倍)

遂にふつうの彗星になってきました。

C/2003 K4 ( LINEAR )

8.7等   視直径3.2分   DC 7   (40.0cm 反射 75倍)

これまでは恒星状の核が目立ち、その周りは淡かったのですが、現在は核の周りも明るくなってきて、彗星っぽくなってきました。C/2001 Q4と同じくDC=7としましたが、姿はぜんぜん違います。

* 2004年6月4日(観測した彗星:2個)

筑波山での彗星観測です。

満月がありましたが、快晴で、低空まで良く晴れていました。久しぶりにきれいな夜明けを静かに楽しみました。

C/2004 F4 も狙いましたが、星図の位置に望遠鏡を向けてみると、そこには恒星がありました。ことごとくついてません。この彗星とは縁が無かったようです。

C/2003 K4 ( LINEAR )

9.2等   視直径3.5分   DC s6   (40.0cm 反射 75倍)

昨日よりも、中心核が恒星状より弱く(つまり彗星らしく)感じました。集光が強くて、淡いコマが大きく広がっていて、美しい印象があります。

C/2003 T3 ( Tabur )

9.4等   視直径2.2分   DC 3   (40.0cm 反射 144倍)

淡く拡散状ですが、存在ははっきりしています。低空まで晴れたこのチャンスに、タイミング良くα Perの近くで導入しやすく、助かりました。

* 2004年6月3日(観測した彗星:1個)

茨城県藤代町での彗星観測です。

C/2003 K4 ( LINEAR )

9.2等   視直径2.0分   DC S4   (40.0cm 反射 75倍)

5月はことごとく曇られてしまったので、久しぶりの観測となりました。1ヵ月の間に驚くほど大きくなっていました。満月と光害地という悪条件にも関わらず、だいぶ大きくなった印象があるので、本当にかなり増光してきたようです。見ための姿もずいぶん変わっていました。以前は集光が強いが明らかに恒星とは違う姿をしていました。しかし今は、中心に恒星状の核が見えて、その周りに淡いコマが広がっています。

* 2004年5月21日(観測した彗星:1個)

筑波山での彗星観測です。

日没まで台風一過の快晴で、非常にクリアな空が広がっていましたが、薄明とともに雲が出てしまいました。それでも時折晴れ間があって、彗星を楽しむことができました。

C/2001 Q4 ( NEAT )

4.8等   視直径12分   DC 7   0.4度(位置角100度)   (20x125 双眼鏡)

筑波山(鳥居下の市営駐車場)にはつくば星の会の方々も集まっていたので、双眼鏡を覗かせてもらいました。20x125の双眼鏡では、さすがにかなり明るく見えます。集光が強く、姿も大きいので、S法ではなく、M法で測定しました。尾は広い角度で伸びているようです。2本あるのかもしれません。しかし淡いので、短くしか見えません。彗星の高度、空の条件、観測地、機材のすべてが前回より良いため、かなり明るく感じたのですが、測定してみると、だいぶ暗い見積もりになりました。ちょっと倍率が高すぎたかも、と思いましたが、遠藤恒延さんと同じ測定値ですね。どうやら彗星は減光してきているのでしょう。

* 2004年5月11日(観測した彗星:1個)

茨城県藤代町での彗星観測です。

最大光度を迎えている C/2001 Q4 を見に行きました。あいにくと薄雲がかかり、また街灯りもあって、空の条件はひどい状態でした。1等星しか見えません。

彗星に比べて、金星と土星は、素敵な姿でした。

C/2001 Q4 ( NEAT )

3.4等   視直径13分   DC 6〜7   (5.0cm 屈折 10倍)

しょぼいです。しょぼすぎます。プロキオンのすぐ側なのに、導入に苦労するほどでした。肉眼で見えるどころではなく、5cmの望遠鏡で何とか見えた、という程度でした。これでは、ふだん望遠鏡を使い慣れていない都会近郊の一般の方は、見つけることすらできないのでは、と思われます。夕空で同じくらいの明るさになった Ikeya-Zhang は、中心核が強く輝き、尾もはっきりと分かりました。それに比べて C/2001 Q4 は、ぼうっとしたいわゆる彗星状で、尾も見えず、明るさ以上に暗い印象でした。40cmで覗いてみましたが、あまり特徴もありません。10等くらいの恒星状の核のまわりに、淡いコマが広がっているだけでした。コマが西(つまり太陽の側)に偏っているのが気になりました。

* 2004年4月29日(観測した彗星:2個)

茨城県八郷町での彗星観測です。

Bradfieldを見せてもらおうと思って、宮崎修さんのお宅にお伺いしました(私は双眼鏡を持っていないのです)。

前日28日(UT)は、透明度の良い快晴だったのですが、到着した頃から雲が出て来て、3〜4時には完全に雲ってしまいました。しかし、日の出の頃には再び快晴になってしまいました。

29日(UT)は、おおよそ晴れていたのですが、もやっていて、薄い雲も霧も出ていたため、透明度はあまり良くありませんでした。特に明け方低空はひどい状況でした。

夜半前には久しぶりに木星を見ましたが、春になって気流が落ち着いて良く見えるようになっていました。ちょうどガニメデが出現した直後でした。

今回は、M3, M51, M13, M27, M71, M57, M22, M8, M11 などを見ました。

C/2003 K4 ( LINEAR )

11.1等   視直径1.1分   DC 7   (40.0cm 反射 144倍)

また少し明るく大きくなった感じです。集光も少し強く感じました。

C/2004 F4 ( Bradfield )

約6等   DC 6   (11x80 双眼鏡)

M31ははっきり見えるのに、彗星はほとんど見えず、かろうじて存在が分かっただけでした。4°の視野内に恒星が1つ、2つしか見えず、まともな観測になりませんでした。

* 2004年4月16日(観測した彗星:1個)

筑波山での彗星観測です。

快晴でしたが、薄い霧に包まれているようなもやがかかって、透明度は良くありませんでした。特に、低空はまったく星が見えませんでした。

今回は、おおぐま座〜りょうけん座の銀河などを巡りました。M82は、中央に爪痕のような暗黒帯が見えます。M97は、濃淡が感じられますが、目は見えません。M51は素晴らしく、ハーシェルが、中心核のまわりに車輪のような輪のある姿をスケッチしたのが、実感として良く分かります。M94も、この辺りの淡い銀河たちと違って、集光の強い輝くような姿が印象的です。(確か)NGC 4449(だったと思いますが)は、裾広がりのような妙な形をしていました。

C/2003 K4 はアルビレオの近くになってきましたが、アルビレオのように色の対比が美しい二重星が他にもあるので、見てみました。οCygは、ファインダーで見ると、望遠鏡で見たアルビレオにそっくりでした。ωCygは、暗いのでファインダーだと色が分かりませんが、赤い方の星のB-Vが他の二重星よりも大きいので、星の赤さがより強く感じられます。

あまり知られていないM29も見てみましたが、向かい合った円弧のような星の配列がおもしろい星団でした。ファインダーだと星雲状でした。

C/2003 K4 ( LINEAR )

11.2等   視直径0.8分   DC 6   (40.0cm 反射 144倍)

ますます明るくなってきました。大きくなったような印象も感じたのですが、測定してみると、視直径は変化していませんでした。

* 2004年4月2日(観測した彗星:1個)

筑波山での彗星観測です。

快晴でしたが、西空に大きな月があり、極限等級はかなり悪くなっていました。

この他に、2つの新星(Nova Oph 2002, Nova Sgr 2004)と、M13、M57〜M56〜アルビレオ、M4&M80、M28&M22&M25、M71&M27を見ました。

M4は、明らかな棒状の構造があるのに、初めて気づきました。

M22は、見たことが無かったのですが、M13やM4を超える、大きな、見事な大球状星団でした。無数の星が密集した、すばらしい姿です。

M27は、カタログ値よりもはるかに大きく感じます。しかし、明るい星雲というより、濃い雲または煙みたいな印象で、色もなく、やや期待外れでした。

C/2003 K4 ( LINEAR )

11.7等   視直径1.0分   DC 6   (40.0cm 反射 144倍)

2月下旬とほぼ変わらない姿でした。小さく強く集光しています。月が沈み、暗い星まで見えるようになると、とても明るく感じられました。

* 2004年3月28日(観測した彗星:1個)

筑波山での彗星観測です。

快晴でしたが、半月があり、透明度もたいへん悪い状況でした。

C/2003 H1 のすぐ近くの、木星状星雲(NGC 3242)も見ました。明るい異様な姿がすぐ目に入ります。本当に奇妙な姿ですね。

明け方の C/2003 K4 は、曇ってしまいました。

C/2003 H1 ( LINEAR )

11.8等   視直径1.2分   DC 3   (40.0cm 反射 144倍)

うみへび座の背中からたどろうと思っていましたが、肉眼でうみへび座がたどれず(αしか見えない!)、導入はたいへん困難でした。月明と春霞のため、たいへん見づらかったです。早くも夕空に回ってしまったので、結局、この彗星は、2月の初見が一番きれいに見えた、ということになりそうです。

* 2004年2月23日(観測した彗星:3個)

筑波山での彗星観測です。

発達した低気圧による暴風が吹き荒れた直後のため、地平線まで非常に透明度が良かったです。風も雲もなく、楽に観測できました。

123P の近くなので、今回は、おとめ座銀河団の散策をしてみました。スカイアトラスを参考に、NGC 4762からM85まで、そして南のM61までたどりました。それにしても、この辺りは銀河だらけですね。

この他に、メジャーなM4やM57にも望遠鏡を向けて見ましたが、40cmで見る姿は素晴らしいです。筑波山は、東の空は光害がないので、星空が美しく見えます。

C/2003 H1 ( LINEAR )

約11.9等   視直径1.2分   DC 4   (40.0cm 反射 144倍)

一見すると、先週とはうって変わって、小さく良く集光した姿に見えました。直視すると微光星があるようにも見えるほどでした。なので、微光星と重なっているかもしれない、とも思っていましたが、帰宅して調べてみると、14.3等星がありました。そのため、見積もりは不正確になってしまいました。

C/2003 K4 ( LINEAR )

12.2等   視直径0.8分   DC 6〜7   (40.0cm 反射 144倍)

はっきりと見えたので、驚きました。すでにかなり明るくなっています。かなり集光が強いです。天の川の中で星が多いのですが、星と重ならなければ、楽に見えると思います。や座からの導入も楽でした。すぐ近くにあるM71も楽しみました。

123P/West-Hartley

13.7等   視直径1.0分   DC 4   (40.0cm 反射 144倍)

何とか見えました。小さく暗い姿です。留なので、ほとんど先週と位置が変わっていません。

* 2004年2月15日(観測した彗星:5個)

筑波山での彗星観測です。

パワーアップしました (^^)

夕方と明け方の2回登りました。夕方は C/2001 HT50 を見た後で急に(何故か)南西の空だけ雲が出てしまいました。粘って、なんとか雲が途切れた時に43P を観測しましたが、すっかり低空になってしまいました。

明け方は快晴でしたが、低空の方はだいぶ透明度が悪いようでした。

ついでにM68も見ました。銀河だと思い込んでいて、ずいぶん多くの微光星が重なっているなー、と思ったのですが、帰宅して調べてみると球状星団でした。

C/2001 HT50 ( LINEAR-NEAT )

12.0等より暗い   視直径0.8分   (40.0cm 反射 144倍)

一応、望遠鏡を向けてみました。ですが、やっぱり見えませんでした。高度は30度くらいはあるはずですが、つくばから夕方南西の方向は、まったくだめです。あまり意義のある目測になりませんでした。

C/2002 T7 ( LINEAR )

7.2等   視直径6.5分   DC 5   (40.0cm 反射 36倍)

ここ1ヵ月ほど、ほぼ同じ光度です。低空と光害のため、見栄えがしません。たぶん、近日点前の最終観測になります。春に明るくなる頃は、夕空の超低空ですから、下手すると一度も見られないかも。。。近くにやけに赤い星があって、一瞬、火星かと思いましたが、違いました。調べてみると、TV Psc という変光星のようです。

C/2003 H1 ( LINEAR )

11.5等   視直径1.6分   DC 3   (40.0cm 反射 144倍)

初見です。増光してきたという噂を聞いていましたが、噂通り、明るくなっていました。ただ、南に低いので、光度ほど見やすくはありません。昨年の C/2001 HT50 のような姿を想像していたので、予想以上に大きく広がっているのに驚きました。あまり集光は強くありません。

43P/Wolf-Harrington

12.0等   視直径1.1分   DC 2   (40.0cm 反射 144倍)

すっかり低空になってからの観測です。40cmをもってしても、東京の光には勝てず、かろうじて見えた、という程度でした。それにしても、M74と一緒に楽しもうと思っていたのですが、雲のために計画がパーになってしまいました。

123P/West-Hartley

13.4等より暗い   視直径1.0分   (40.0cm 反射 144倍)

残念ながら見えませんでした。しかし、高度が高いために、非常に暗い星まで見えます。15等まで見えている感じです。まさに Deep Sky です。あと一息増光してくれれば見えそうです。

* 2004年2月7日(観測した彗星:1個)

茨城県藤代町での彗星観測です。

C/2002 T7 ( LINEAR )

6.8等   視直径4分   DC 3   (25.4cm シュミカセ 32倍)

光害のため、たいへん淡く、拡散状に感じられます。倍率を上げると、淡さはあまり変わらず、小さく感じられました。

* 2004年1月31日(観測した彗星:1個)

筑波山での彗星観測です。

C/2002 T7 ( LINEAR )

7.4等   視直径5分   DC 4   (25.4cm シュミカセ 32倍)

月明のため、たいへん見づらかったです。拡散状なのですが、直視すると中心に芯がある感じでした。

* 2004年1月23日(観測した彗星:2個)

筑波山での彗星観測です。

先週よりも透明度は良かったです。途中から急に風が強く吹き始めて、寒くなってしまいました。

C/2001 HT50 も狙ってみましたが、良く分かりませんでした。11.5等星に近すぎたこともあるかもしれません。当り前ですが、12月よりは暗くなっているようです。

C/2002 T7 ( LINEAR )

7.4等   視直径7.5分   DC 4   (25.4cm シュミカセ 32倍)

透明度が良いためか、かなり淡く大きく広がって見えました。すっかり拡散した姿です。中心が良く見えなければ、DC=2と言われても違和感はありません。12月までとまったく印象が違います。但し、明るさは予報よりずいぶんと明るいです。JPLのページには、1月23日にバーストか、という記述がありますが、そういう印象はありませんでした。

43P/Wolf-Harrington

11.7等   視直径0.9分   DC 3   (25.4cm シュミカセ 128倍)

ひじょうに小さくて淡く、集光も弱いのですが、存在は確かです。比較星は、Tycho-2 に光度が載っていないものが多いのと、Tycho-2 と GSC との光度差が大きいので、初めて ASAS-3 を使いました。

* 2004年1月15日(観測した彗星:2個)

筑波山での彗星観測です。

冬型の快晴で、風も強かったのですが、透明度はそれほどでもなかったようです。ちょっと遅くなってしまって、高度がやや低くなってしまいました。

C/2002 T7 ( LINEAR )

7.6等   視直径3.7分   DC 6   (25.4cm シュミカセ 32倍)

1ヵ月ぶりでしたが、12月中旬とはまったく違った印象になっていました。見ための印象は、7等級だった頃の C/1999 T1 とそっくりでした。測定光度もやはり7等級となりました。そういえば、ずいぶん予報より明るいですね。

43P/Wolf-Harrington

12.0等より暗い   視直径1.1分   (25.4cm シュミカセ 128倍)

見えませんでした。

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