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    変光星の見つけ方    

  • このページで使われているサンプル画像は、門田健一氏が撮影したものです。
  • このページで例に挙げられたMisV新変光星は、実際にこのサンプル画像から発見されたものですが、PIXYシステム2を使って発見されたものではありません。

このページでは、PIXYシステム2を使って、時間を空けて撮影した2枚の画像から、新変光星を発見する方法を紹介します。

PIXYシステム2のページ

例として、次の2枚のFITS画像を使用しますので、ここからダウンロードして下さい。

この2枚の画像は、18cm反射望遠鏡で、同じ場所を47日ほどの時間を空けて撮影されたものです。 この2枚の画像を比較して、新変光星が写っていないかどうかを、PIXYシステム2を使って調べます。

PIXYシステム2を使って新変光星を探す手順は、次の通りです。

  1. メニューの[Tool] - [Image Collation]を選び、仮想デスクトップを開く。(※)
  2. メニューの[Operations] - [Open Image]を選び、1枚目の画像を開く。
  3. メニューの[Operations] - [Open Image]を選び、2枚目の画像を開く。
  4. メニューの[Operations] - [Matching]を選ぶ。
  5. しばし待つ。
  6. メニューの[Operations] - [Create R-GB Image]を選ぶ。
  7. 開かれたR-GB画像で、色の付いた星を探す。

(※)   2003年6月18日以前のバージョンでは、「Multiple Examination」ボタンを押す。

この手順を、詳細に紹介します。

PIXYシステム2を起動し、メインメニュー画面から、メニューの[Tool] - [Image Collation]を選びます。(※)

(※)   2003年6月18日以前のバージョンでは、「Multiple Examination」ボタンを押す。

すると、新しい仮想デスクトップウィンドウが開きます。

まず、比較する2枚の画像を開きます。 メニューの[Operations] - [Open Image]を選び、先程ダウンロードした画像のうちの1枚を開いて下さい。 1枚目の画像が表示されたら、もう一度メニューの[Operations] - [Open Image]を選び、先程ダウンロードした画像のうちの、もう1枚を開いて下さい。

次に、メニューの[Operations] - [Matching]を選び、しばし待ちます。 この間、PIXYシステム2は、2枚の画像をぴたりと重ねるためのマッチング処理を行っています。

最後に、R-GB法で新変光星を探します。 R-GB法とは、門田健一氏が考案した変光天体・移動天体捜索法で、2枚の画像のうち、1枚を赤で、もう1枚を青緑で着色し、合成します。 すると、画像全体がモノクロになりますが、変光天体や移動天体だけが、赤もしくは青緑色に色づけされて表示されます。

メニューの[Operations] - [Create R-GB Image]を選び、R-GB画像を作成します。 画像が表示されたら、画像上でマウスの右ボタンをクリックし、適当にレベル調整や拡大を行って下さい。

サンプル画像の場合、画像中央に赤い星と青い星が並んでいます。 更に、全体を見回すと、中央やや上と、左下隅に、周囲の星に比べて、やや青くなった星があるのが分かります。

この4個の星は、変光星だと思われます。

2枚の画像を、それぞれ画像の検査に従って検査すると、この4つの星の赤経赤緯と光度は、それぞれ次のようになりました。


星1星2星3星4
赤経17 52 32.6817 52 26.6017 53 02.0517 54 00.93
赤緯-17 41 08.1-17 40 00.6-17 35 34.2-17 52 44.0
1枚目の光度13.4[16.314.213.7
2枚目の光度[15.714.113.612.9

調べてみると、1番の星は、いて座V4334星という既知の変光星ですが、2番から4番の星は、変光星として知られていないことが分かります。 実際、これらの変光星は、MISAOプロジェクトの新変光星MisV0001, MisV0786, MisV1009として、発表しました。

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