English version Home Page Updated on January 22, 2006
変光星の見つけ方
このページでは、PIXYシステム2を使って、時間を空けて撮影した2枚の画像から、新変光星を発見する方法を紹介します。 PIXYシステム2のページ例として、次の2枚のFITS画像を使用しますので、ここからダウンロードして下さい。
この2枚の画像は、18cm反射望遠鏡で、同じ場所を47日ほどの時間を空けて撮影されたものです。 この2枚の画像を比較して、新変光星が写っていないかどうかを、PIXYシステム2を使って調べます。 PIXYシステム2を使って新変光星を探す手順は、次の通りです。
この手順を、詳細に紹介します。 PIXYシステム2を起動し、メインメニュー画面から、メニューの[Tool] - [Image Collation]を選びます。(※)
すると、新しい仮想デスクトップウィンドウが開きます。 まず、比較する2枚の画像を開きます。 メニューの[Operations] - [Open Image]を選び、先程ダウンロードした画像のうちの1枚を開いて下さい。 1枚目の画像が表示されたら、もう一度メニューの[Operations] - [Open Image]を選び、先程ダウンロードした画像のうちの、もう1枚を開いて下さい。 次に、メニューの[Operations] - [Matching]を選び、しばし待ちます。 この間、PIXYシステム2は、2枚の画像をぴたりと重ねるためのマッチング処理を行っています。 最後に、R-GB法で新変光星を探します。 R-GB法とは、門田健一氏が考案した変光天体・移動天体捜索法で、2枚の画像のうち、1枚を赤で、もう1枚を青緑で着色し、合成します。 すると、画像全体がモノクロになりますが、変光天体や移動天体だけが、赤もしくは青緑色に色づけされて表示されます。 メニューの[Operations] - [Create R-GB Image]を選び、R-GB画像を作成します。 画像が表示されたら、画像上でマウスの右ボタンをクリックし、適当にレベル調整や拡大を行って下さい。 サンプル画像の場合、画像中央に赤い星と青い星が並んでいます。 更に、全体を見回すと、中央やや上と、左下隅に、周囲の星に比べて、やや青くなった星があるのが分かります。 この4個の星は、変光星だと思われます。 2枚の画像を、それぞれ画像の検査に従って検査すると、この4つの星の赤経赤緯と光度は、それぞれ次のようになりました。
調べてみると、1番の星は、いて座V4334星という既知の変光星ですが、2番から4番の星は、変光星として知られていないことが分かります。 実際、これらの変光星は、MISAOプロジェクトの新変光星MisV0001, MisV0786, MisV1009として、発表しました。 |