English version Home Page Updated on November 12, 2000
VSNETへの変光星光度報告
このページでは、PIXYシステム2を使って画像を検査した後で、写野内に存在する変光星の同定を行い、すべての変光星の光度をVSNET(Variable Star Network)に報告する方法を紹介します。 PIXYシステム2のページ例として、次のFITS画像、および検査結果のXMLファイルを使用しますので、ここからダウンロードして下さい。 このXMLファイルは、サンプル画像をGSCを利用して検査したものです。
この画像は、CCDカメラに35mm広角レンズを取り付けて、カシオペヤ座付近の天の川を撮影したものです。 PIXYシステム2を使って写野内に存在する変光星の同定を行い、すべての変光星の光度をVSNET(Variable Star Network)に報告する手順は、次の通りです。 予め、画像の検査の手順に従って画像を検査し、結果をXMLファイルに保存しておきます。
この手順を、詳細に紹介します。 PIXYシステム2を起動し、メインメニュー画面から、「Review」を選びます。 すると、新しい仮想デスクトップウィンドウが開きます。 まず、検査結果のXMLファイルを開きます。 メニューの[File] - [Open XML File]を選び、先程ダウンロードしたXMLファイルを開いて下さい。 通常は、XMLファイルを開くと、画像も自動的に表示されます。 もし、画像ファイルが見つからない、というメッセージが表示された場合は、メニューの[File] - [Open Image File]を選び、先程ダウンロードした画像を開いて下さい。 次に、メニューの[Analysis] - [Identify]を選びます。 すると、同定を行うカタログを選択するダイアログが開きます。 写野内に存在する変光星を一通り調べる場合は、以下のカタログについて同定を行うと良いでしょう。 カタログは、別途入手する必要があります。カタログの入手先については、カタログを選択し、Help ボタンを押すと、情報が表示されます。例えば、GCVS 2000 の場合は、以下の情報が表示されます。
カタログによっては、gzip コマンドで圧縮されている場合があります。そのようなカタログは、ファイル名に「.gz」がついています。PIXYシステムは、gzip で圧縮されているファイルも読み込むことができますので、問題はありません。 サンプル画像について、GCVS 2000 と同定した結果は、次の通りになります。 PIXYシステム2の「Review」でこのXMLファイルを開くと、このページで紹介されている画面を再現することができます。
このXMLファイルを開き、メニューの[Analysis] - [Identification Overview Chart]を選ぶと、同定された変光星をプロットしたオーバービューチャートが表示されます。 このサンプル画像からは、実に多くの変光星が検出されていることが分かります。 同定が終了したら、メニューの[Analysis] - [Magnitude Report to VSNET/VSOLJ]を選びます。 すると、ダイアログが開きます。 ここで、撮影時刻、フィルター、観測者コードを入力します。観測者コードをお持ちでない場合は、VSNETの管理者にお問い合わせ下さい。 フィルターについては、Help ボタンをクリックして表示される一覧の中から選んで下さい。 OKボタンを押すと、表が表示されます。 VSNETに報告するのは、検出された全恒星のデータではなく、変光星のデータのみです。そこで、変光星以外の行のチェックボックスのチェックを外します。 具体的には、まず、Name 列のヘッダをクリックし、天体名で並べ換えます。 次に、チェックボックスの列のヘッダをクリックし、いったんすべてのチェックを外します。 その後、変光星のデータのみ、チェックボックスをチェックしていきます。 チェックが終了したら、マウスの右ボタンをクリックし、ポップアップメニューの[Save]を選びます。 この結果、以下のようなVSNETへの光度報告ファイルが作成されます。
このファイルをメールに添付し、VSNETに報告します。 詳しくは、VSNETのホームページをご覧下さい。
このように、CCDカメラに広角レンズを取り付けて撮影すると、多数の変光星の光度データを一度に得ることができます。 但し、明るい星のすぐ側にある暗い変光星や、星団の中の変光星、もしくは変光星どうしが接近している場合などは、PIXYシステム2の同定が誤っているケースがあります。 メニューの[Analysis] - [Identification Report]を選ぶと、同定結果の一覧表が表示されます。 この一覧表で、変光星のデータを見たり、変光星の位置と検出された星像の位置のずれを調べることができます。 この一覧表で、同定結果の検証を行うと良いでしょう。 |