MISAO Project

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    実行方法    

PIXYシステムの各オプションについて解説します。 具体的な入力パラメータについては入力パラメータをご覧下さい。 また、PIXYシステムについて詳しくない方は、チュートリアルをご覧下さい。

    PIXYシステムの実行    

PIXYシステムは次のように実行します。

java   misao.pixy.Pixy
オプションを指定せずに実行すると、指定可能なオプションの一覧が出力されます。

PIXYシステムが実行できない場合は、インストールに戻って、JDKが正しくインストールされているか、CLASSPATHが正しく設定されているか等を確認して下さい。

JRE(Java Runtime Environment)をインストールした場合は、-cp オプションでパッケージを展開したディレクトリを指定する必要があります。 よって、PIXYシステムは次のように実行します(次の例は C:\ で展開した場合です)。

java   -cp   C:\   misao.pixy.Pixy

    オプション一覧    

オプション内容
-arg画像検査 (引数でパラメータ入力)*1
-batch画像検査 (バッチ方式でパラメータ入力)*1
-console画像検査 (対話方式でパラメータ入力)*1
-diff差分*1
-identify同定*2
-report光度報告書作成*2
-review画像検査結果の再現*2
-survey新天体候補の選別*2
-testテスト
-update光度データベース登録*2

*1 PXFファイルを生成
*2 PXFファイルを基に処理

    解説    

o -arg     パラメータ     …

画像検査 (引数でパラメータ入力)

PIXYシステムで画像を検査してPXFファイルを生成する方法の1つです。 入力パラメータを引数で指定します。 入力パラメータは、「キー=値」という書式で記述し、空白で区切って並べます。

チュートリアルのサンプル画像を検査する場合は、次のように実行します。 概略の位置のように、値が空白を含む場合は、値全体を " " で囲んで下さい。

java   misao.pixy.Pixy   -arg   image=sample.fts   catalog=cdrom.gsc11   catalog_path=D:\   center="11 48 0 +48 0 0"   field_of_view=1   reject_CR=Y   pxf=sample.pxf

※ 実際には1行です。

o -batch     バッチファイル

画像検査 (バッチ方式でパラメータ入力)

PIXYシステムで画像を検査してPXFファイルを生成する方法の1つです。 入力パラメータをバッチファイルに記述しておき、そのバッチファイルを指定します。 バッチファイルの拡張子は .bat です。

バッチファイルには、「キー=値」という書式でパラメータを記述します。 1行に1パラメータです。 空行で区切ることで、複数の画像を一括して検査することができます。 2枚目以降の画像では、それまでと値が同じパラメータは省略できます。 尚、行頭が「#」や「;」の場合はコメントとみなされて無視されます。

チュートリアルのサンプル画像を、1回目はGSC 1.1を利用して、2回目はUSNO-A1.0を利用して検査する場合のバッチファイルは、次のようになります。

# Examination using GSC 1.1
image=sample.fts
catalog=cdrom.gsc11
catalog_path=D:\
center=11 48 0 +48 0 0
field_of_view=1
reject_CR=Y
pxf=sample-gsc.pxf

; Examination using USNO-A1.0
catalog=cdrom.usnoa10
catalog_path=E:\
pxf=sample-usno.pxf
このバッチファイルを sample.bat というファイルに保存した場合は、次のようにPIXYシステムを実行します。
java   misao.pixy.Pixy   -batch   sample.bat

o -console

画像検査 (対話形式でパラメータ入力)

PIXYシステムで画像を検査してPXFファイルを生成する方法の1つです。 入力パラメータを対話形式で指定します。 質問文と回答の仕方は、入力パラメータのページをご覧下さい。

次のようにPIXYシステムを実行すると、対話形式での設定が始まります。

java   misao.pixy.Pixy   -console

o -diff     画像ファイル1     画像ファイル2     PXF ファイル     ログファイル

差分

2枚の画像を直接比較して、新天体や変光天体、移動天体を探します。 同じ場所を撮影した2枚の画像があれば、GSCやUSNO-A2.0といったカタログが無くても、検査を行うことができます。

結果を格納するPXFファイル名、ログファイル名を指定します。 不要な場合は省略可能です。

-diffオプションの後で指定できるオプションがあります。

  • -auto
    画面に表示された結果ウィンドウを自動的に閉じ、処理を終了します。
  • -checkimage
    差分として検出された星像ごとに、確認用のサムネイル画像を作成します。 画像は指定されたPXFファイル名と同じフォルダの下に置かれます。
  • -checkgallery
    差分として検出された星像の、確認用のサムネイル画像が、1つのFITSファイルとして作成されます。 作成されるファイル名は、PXFファイルと同じものになります。
  • -noPS
    2枚の画像で差が無かった星像のデータを、PXFファイルに記録しません。

o -identify     PXFファイル     チェックファイル

同定

PIXYシステムで生成したPXFファイルを基に、検出星像と既知変光星との同定を行います。 同定結果は指定したPXFファイルに直接記述されます。 画面及びチェックファイルには、同定の検証のために、同定された星の一覧とそれぞれの位置の差、及び二重同定されているものの一覧が出力されます。 チェックファイルの拡張子は .icl です。 チェックファイル名を省略した場合は、検証用リストは画面にのみ出力されます。

同定に利用できるカタログはカタログ一覧にあるものです。 同定のためには、予め同定データベースを構築しておく必要があります。 詳しくは同定データベースの構築をご覧下さい。

同定データベースは、MISAOのホームディレクトリの下に構築されます。 同定を行う場合は、MISAOのホームディレクトリをシステムのプロパティ misao.home に設定する必要があります。 具体的には、java のオプション -D を利用します。 例えば、MISAOのホームディレクトリが C:\misao の場合、同定は次のように実行します(PXFファイル名は sample.pxf とする)。

java   -Dmisao.home=C:\misao   misao.pixy.Pixy   -identify   sample.pxf

※ 実際には1行です。

-identifyオプションの後で指定できるオプションがあります。

  • -batch     バッチファイル
    複数のPXFファイルに対して一括して同定を行う際に利用します。 バッチファイルには、同定を行うPXFファイル名を1行に1ファイルずつ記述します。
  • -noNR
    写野内にあるはずだが検出されなかった既知変光星の情報を記録しないようにします。

o -report     PXFファイル     レポートファイル

光度報告書作成

PIXYシステムで生成したPXFファイルを基に、PIXYシステムで測定した星の光度報告書を作成します。

結果は標準出力に出力されます。 レポートファイルを指定すると、結果をファイルに保存します。

o -review     PXFファイル     画像ファイル

画像検査結果の再現

PIXYシステムで生成したPXFファイルを基に、PIXYシステムで検査した時の画面状態を再現します。

画像ファイルは省略可能です。 省略した場合は、PXFファイルに記述されている画像ファイルを、PXFファイルに記述されているパス、もしくはカレントパスから探して表示します。

o -survey     フォルダ     保存ファイル

新天体候補の選別

PIXYシステムで生成したPXFファイルから、新天体候補を選別します。

ある一夜に撮影したすべての画像を検査して生成されたPXFファイルを、1つのフォルダに置いておき、そのフォルダ名を指定します。 結果は標準出力に出力されます。 保存ファイルを指定すると、結果をファイルに保存します。

-surveyオプションの後で指定できるオプションがあります。

  • -pxf     パス
    過去画像のPXFファイルを置いてある場所を指定します。 複数のパスを指定する場合は、" " で囲んで指定します。

o -test     テスト内容

テスト

PIXYシステムのテストのためのオプションです。 通常は利用することはありません。

テスト内容には次のようなものがあります。

detect星像検出のテスト
matchingマッチングのテスト
実行すると、-console オプションを指定した場合と同様に、対話形式で入力パラメータを指定するようになっています。

o -update     PXFファイル

光度データベース登録

PIXYシステムで生成したPXFファイルを基に、PIXYシステムで測定した星の光度を光度データベースに登録します。

-updateオプションの後で指定できるオプションがあります。

  • -batch     バッチファイル
    複数のPXFファイルを同時に光度データベースに登録する際に利用します。 バッチファイルには、PXFファイル名を1行に1ファイルずつ記述します。
  • -image     画像名
    光度データベースに登録される画像名を変更します。 指定しない場合は、PXFファイルに記述されている画像ファイル名が記録されます。
  • -remove
    指定したPXFファイルのデータを光度データベースから削除する際に利用します。

    JVMのオプション    

o -mxメモリ使用量

o -ossメモリ使用量

PIXYシステムはかなりのメモリを使用します。 java-mx-oss オプションで、搭載しているメモリに合わせて、使用するメモリを確保して下さい。 搭載メモリより少し小さい値を指定します。 例えば、64MBのメモリを搭載しているPCであれば、50MBほど確保するとして、次のように指定します。 オプションと値の間には空白は入れません。
java   -mx50m   -oss50m   misao.pixy.Pixy

PIXYシステムのホームページ

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